西原氏はDXを単なるIT導入やコスト削減ではなく、「既存の事業の付加価値を上げ、新しい事業を作るための手段」と定義した。
そして、PCを使用しない現場スタッフのために、スマホから選択するだけで入力できる欠勤・有給などの入力フォームを作成。データはGoogleスプレッドシートに自動連携され、個人の売り上げや事故履歴などの情報を1ページに集約した。その結果、評価資料としても活用できるようになったという。これまで全て手書きで対応していたものがスマホで簡単に入力できるようになったことで、作業効率が向上した。
また、簡単にWebサイトが作成できる「Googleサイト」を活用して、マニュアルも作成。制服の着方などを画像で共有し、マニュアルを上から順に見ていけば業務を進められるように設計した。「まずはマニュアルで調べてみる」という動きを徹底し、ムダな質問時間の削減につなげた。
さらに、業務フローを整理し、目的が不明確なものは排除した。例えば、これまでは日々の営業活動の後に実績をメモに取り、帰社後に日報に記入し、週次の営業定例資料に記載し、営業定例にて実績報告というプロセスを踏んでいた。しかし、「定例資料をわざわざPowerPointで作成する必要があるのか?」「そもそも実績を報告するだけなら、実績が記載されているスプレッドシートを提示すればよいのでは?」と一つずつ業務フローを見直し、ムダな業務を止めていった。
これらの取り組みにより、明治クッカーは11年間で月商552万円から月商3000万円へ、社員の平均年収を240万円から520万円へ、利益率を1.3%から13.6%へと劇的に向上させた。
同社は前述したように、Google Workspaceを活用し、DXを推進してきた。最後に、西原氏はGoogle Workspaceを使って生産性を向上させる3つの考え方を説明した。
1つ目は、資料が完成してから見せるのではなく、作成段階の資料を共有し、共同編集で完成に向けて作業を進めることだ。作成途中を見られるのは心理的ハードルがあるかもしれないが、完成した資料にフィードバックをもらい、再度修正するのは非効率だ。最初からスライドを共有し、完成に向けて作業を一緒に進めるという考え方に変えていく必要がある。
2つ目は、上司への報告用に、見栄えを良くするためだけにExcelのデータをPowerPointへ転記するような作業は本質的な価値を生まないと意識することだ。わざわざ転記して新しい資料を作成すのではなく、すでにある資料を全員で確認するようにするなど、自分たちのアクションを変えていくことが重要だという。
そして3つ目は、資料を1箇所にまとめて、「ここだけ見ればいい」という環境を目指すことだ。これにより、「あの資料どこに行った?」とファイルを探す手間を削減できるのに加え、現場の担当者も「ここだけ見ればいい」と、安心して業務に取り組めるようになるという。
西原氏は「DXにおいて一番大事なことは、恐れずに業務をなくすこと」と指摘する。紙の印刷や見栄えのための資料作りなど、「昔からのやり方だから」という固定観念を捨て、目的が明確に伝えられない業務や、ムダだと思っている業務は全て改善対象にする必要があるという。DXとは単なるIT導入やコスト削減ではなく、新しい価値を自分たちの会社に与える変革なのだ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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