レクサスが求めた「街の石材店」 「捨てる石」がブランドになった逆転の発想アセットの「再定義」(1/4 ページ)

» 2026年07月13日 07時30分 公開
[大久保崇ITmedia]

ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!

photo

ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。

AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。


  • 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

特集:アセットの「再定義」サバイバル

既存の強みや過去の成功体験が、変化の激しい現代では足枷になる――。そんな危機感を持つデジタル戦略リーダーに向け、本特集では保有資産を時代に合わせて読み替える「アセットの再定義」を徹底解剖。自社のコア技術やノウハウを新たな価値を持たせる、企業の具体策を探ります。

「墓じまい」という言葉が定着し、樹木葬や散骨など供養の形が多様化する中で、墓石市場は縮小が続いている。日本有数の墓石・石製品の産地として知られる愛知県岡崎市でも、最盛期に350軒ほどあった石材店は、いまでは70〜80軒ほどに減ったという。そんな業界で、まもなく創業100年を迎えるのが、稲垣石材店(愛知県岡崎市)だ。

 同社の主力事業は現在も墓石だが、2016年に家業を継いだ4代目の稲垣遼太氏が新たな柱として、石の器ブランド「INASE(いなせ)」を育てている。完全オーダーメイドで、購入希望者へのヒアリングを通じて、色味や材質などを踏まえて石を選定。職人が希望のサイズや形に応じて一つ一つ製作する。

INASEブランドの皿(画像:INASE 公式Webサイトより)

 石ならではの重厚感や質感を生かした器は、高級レストランやミシュランの星付き店から支持を集め、国内外で高い評価を得ている。加えて、器づくりや従来の墓石・石像づくりで培った加工技術は飲食業界の枠を超えて注目を集め、「ミラノデザインウィーク2026」(毎年イタリア・ミラノで開催される世界最大級のデザインイベント)では、レクサスの作品「SPACE」の床材に使う石の加工も同社が手掛けた。

レクサスの作品の床材に使用された石の加工を手掛けた(画像:レクサス 公式Webサイトより)

 縮小する市場の中で、街の石材店はどのように新しい事業を育ててきたのか。稲垣氏に話を聞いた。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR