接骨院は全国に数多くある中で、ほねごりはどうやって差別化しているのか。阿部社長は、来店回数100回以上、年間45万円以上利用、かつ2週間以内に来院している患者を「ロイヤルユーザー」と定義。このロイヤルユーザー約200人にアンケートを実施した。
「アンケートのコメントを見ると『ほねごりに来ると元気になれる』『前向きになれる』『みんな話を聞いてくれる』という3つが非常に多かったんですね。われわれがこだわってきた治療の技術とかはあくまで手段であって、元気を与えていくというのがわれわれのミッションじゃないかと。『心と体のパワースポット』をテーマに、他にはない価値を作ってきました」(阿部社長)
この価値を最大化するため、同社は徹底した生産性向上に取り組んできた。「昔ながらの紙媒体のカルテや予約をデジタル化し、患者さま自身が入力してもらう動線を作りました。
またPOSレジを導入してセルフ会計にし、社員が現金を扱わなくて済む仕組みに切り替えたんです。
今、全社員で800人ぐらいいるんですけど、1人1分の短縮は800分の短縮につながるわけですよ。こういう生産性を上げていくことで、浮いた時間で社員が技術を磨いたり、患者さまとコミュニケーションを取ることができる。こういった形で、人がやらなきゃいけないことと、そうでないことを分けてきました」(阿部社長)
今も古い商習慣が残る接骨院業界だが、ほねごりはIT化に強いこだわりを持っている。こうした文化は、阿部社長の経営哲学に基づいている。
「『数字は行動の結果』と定義しています。最終的な意思決定は直感だとしても、その判断材料は信頼できる数字であるべきだと思います。
だから各院長にはP/L(損益計算書)を自分で管理させ、売り上げの着地予想データなども全社に公開して、数字で語るカルチャーを作っています」
さらに、多店舗展開によるコミュニケーション希薄化の壁を乗り越えるため、社内SNS「WILLMate(ウィルメイト)」を自社開発した。開発を手掛けた芦川泰成CIOは「社員のエンゲージメントをどう上げていくかについてはすごく意識していまして。WILLMateには、社内マニュアルや各院の売り上げデータを学習させた『AIチャットボット』機能を実装させました。知りたい情報を自然言語で入力すれば、AIが回答してくれる設計となっています」と説明する。
また『大将軍いいね』という特許取得済みの機能も備えている。これは、役員など特定の人しか押せない「いいね」機能だ。これが押されることで、社員のモチベーション向上が期待できる。また、良い発信をしている人を可視化する効果も狙っている。「とにかく『人材育成』を第一に考える社内SNSをつくりました」と芦川CIOは思いを語る。WILLMateは法人向けにも販売していくという。
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