検索結果上記に「非公式ツール」が表示される……「偽AIサービス」に騙されないために確認すべきことその悩み、生成AIが解決

» 2026年07月16日 06時00分 公開
[酒井麻里子ITmedia]

連載:その悩み、生成AIが解決

アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授します。

Q.AIツールには、有名サービスを装ったものや、安全性に問題のあるものも存在すると聞きます。どのように見分ければよいですか?

 AIツールが急増する一方で、有名サービスの知名度に便乗した怪しいサービスや、安全性に問題のあるものが紛れ込んでいる実情がある。

 今回は、検索結果に表示される有名サービスを装った偽サービスおよび、リスクの高いブラウザ拡張機能を見分ける方法を解説する。

著者プロフィール:酒井麻里子(さかい・まりこ)

ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。


実は身近に……? 検索結果に紛れ込むさまざまな「偽ツール」

 Webでツール名を検索した際に、検索結果の上位や広告枠に、実在の有名Webサービスと誤認しかねないサイトが表示されることがある。

 例えばBing検索では「gemini」と検索すると、Geminiの名を冠した別会社のサービスが上位に表示された。これは広告枠だが、小さな文字で「スポンサー」と表示されているだけなので通常の検索結果と見分けづらい。急いでいるときなどは、うっかり選んでしまいそうだ。

photo01 Bing検索で「gemini」を検索した結果。上位の広告枠に表示されるのは、いずれもGoogleの公式ページではない(筆者によるBing検索画面のスクリーンショット、画像はいずれも記事執筆時点のもの)

 こうした非公式ツールを見分けるには、まず検索結果一覧に表示されているURLの確認が不可欠だ。この段階で判別できるケースも多い。

 サイトにアクセスした後は、運営会社や利用規約、プライバシーポリシーといった項目を確認するとよい。公式ドメインであることを確認できないまま、IDやパスワード、クレジットカード情報の入力を求められた場合は、入力せずにいったん前の画面に戻って確認することが重要だ。

 なお、筆者が普段使っているGoogle検索の場合、広告と通常の検索結果が見分けやすくなっていることに加え、こういった非公式ツールが広告枠に表示されているのを見かける機会も少ない印象だ。一方で、Edgeでは初期設定の検索エンジンがBingになっているため、設定を変えずに使っているケースや、新しいPCの購入直後などは、先述のような検索結果に遭遇することがある。

 ITツールを使い慣れている人なら「今さらそんなものには引っかからない」と思うかもしれない。しかし、知識としてリスクを把握しているからといって常に冷静に見分けられるとは限らない。

 例えば、普段とは違うPCから急いでアクセスするときや、会議中にその場でツールを開く必要が生じたときなどは、見慣れたサービス名や検索順位だけで反射的に選んでしまうこともある。自分は大丈夫と油断しない姿勢が大切だ。

拡張機能は「プライバシー」と権限を確認

 ブラウザ拡張機能でも、AIを使って要約や翻訳、検索支援などを行うツールが多数提供されている。作業を効率化してくれる便利なものだが、きちんと内容を確認した上で使うかどうかを判断したい。

 Chromeなどで拡張機能をインストールする前に確認しておきたいのが、ストア画面の「プライバシー」に表示される情報だ。ここには、開発者が申告するデータ収集や利用に関する情報が表示されている。

 例えば「個人を特定できる情報」とは、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、ユーザー名などを指す。また「個人的コミュニケーション」はメールやチャットでやりとりした内容。「ユーザーのアクティビティ」は、クリックやスクロールなどの操作を意味する。

photo01 拡張機能のストア画面では「プライバシー」欄を確認

 さらに、ストア画面の「Chromeに追加」をクリックするとポップアップ表示されるウィンドウでは「権限」も必ず確認しよう。

 「すべてのウェブサイト上にある自分の全データの読み取りと変更」は、開いているWebページの情報を読み取ったり、ページ内容を書き換えたりする権限を与えるものだ。「(URL)のサイト上にある自分のデータの読み取りと変更」と表示される場合は、特定のサイトの情報だけに権限が付与される。

 「コピーして貼り付けるデータの読み取りと修正」は、拡張機能がクリップボードの情報を読み取ったり、書き換えたりできる。

photo01 拡張機能を追加する直前に表示される「権限」も必ず見ておこう

 これらの項目は、拡張機能を利用するために欠かせないケースも多いので、過剰に警戒する必要はない。例えば、Webページを要約する拡張機能には、ページ内容を読み取る権限が求められる。一方で、その拡張機能の用途から考えて扱うデータや要求する権限の範囲が明らかに広い場合は注意が必要だ。

不正なコードが後から追加されるケースも

 インストール済みの拡張機能に付与されている権限は、Chromeメニューの「拡張機能」→「拡張機能を管理」から、それぞれの拡張機能の「詳細」をクリックした画面で見られる。

 「権限」の欄で、付与されている権限や、Webサイトへのアクセス範囲が表示される。拡張機能によっては、ここでサイトごとのアクセス可否を切り替えることも可能だ。

photo01 インストール済みの拡張機能の権限は「拡張機能を管理」から確認できる

 また、インストール済みの拡張機能は定期的に確認し、使っていないものは削除するとよい。長く使われていない拡張機能は、開発者の交代などをきっかけに、後から不正なコードが追加されるケースも報告されている。放置しないことがリスクを減らす一歩になる。

 あらゆる作業でAIを使うことが当たり前になり、ツールやサービスも多様化している。急いでいるときや慣れない環境で作業しているときほど、偽ツールや危険な拡張機能に引っかかりやすい。サイトへのアクセスやツールのインストール前にワンクッション置いて確かめる習慣を、ぜひ日々の作業に取り入れてみてほしい。

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