ミドル採用が増えている背景には、若手人材の不足だけでは説明できない事情がある。企業が直面する課題が複雑になっていることも、その一因だ。
近年はDXやAIへの対応に加え、人材不足や管理職不足、既存事業の変革など、企業が同時に抱える経営課題が増えている。こうした課題に対しては、時間をかけて育成する若手人材だけでは対応が難しいケースもある。
そこで注目されているのが、すでに現場経験を持ち、入社後すぐに成果を出せる人材だ。
「経験者や管理職層への需要そのものが高まっています。若手が採れないから採用対象を広げるという側面もありますが、事業を伸ばすために経験者が必要だという積極的な理由もあります」
峯崎さんによると、特に評価されているのは、単なる経験年数ではなく、過去の経験を別の環境でも生かせる力だという。
例えば、プロジェクトの炎上、組織再編、重要顧客とのトラブルなど、仕事では予定通りに進まない場面も多い。そうした経験を乗り越え、改善につなげてきた人は、新しい職場でも価値を発揮しやすい。
重要なのは、失敗経験の有無ではない。そこで何を学び、次の成果につなげられるかだ。
また、DXやAIの普及もミドル人材への需要を押し上げている。企業が求めているのは、単にITツールに詳しい人ではない。現場の業務を理解しながら、デジタル技術を活用して仕事の進め方を変えられる人材だ。
例えば建設、物流、製造などでは、業界知識を持ちながら業務改革を進められる経験者への期待が高まっている。
「40代だから採りたい」というよりも、「経験を価値に変えられる人材だから採りたい」という企業が増えている。実際にミドル人材を採用した企業からは、「早期に戦力になった」「若手育成にも貢献してくれる」「組織改善まで進めてくれた」といった評価も聞かれるという。
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