ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
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2026年10月から「カスハラ対策」が全国の事業者に対して義務化される。トラブル解決支援サービスを手掛けるヴァンガードスミス(東京都港区)の調査から、企業の「危機感の薄さ」や、現場の「相談してもムダ・解決しない」という諦めの実態がみえてきた。
「カスハラ防止条例」について、79.6%が「知っている」(「内容まで知っている」「言葉だけは知っている」の合計)と回答。カスハラという言葉自体は広く認知されていることが分かった。
これまでカスハラ被害を受けた、あるいは遭遇したことがある従業員に対し、勤務先への相談状況を尋ねた。その結果、42.4%が「会社や周囲に相談しなかった」と回答。その理由としては「誰かに言っても無駄だと思ったから」(55.2%)が最も多く挙げられた。
社会全体でカスハラへの関心は高まっている一方で、現場の「相談しても状況は変わらない」という捉え方は、依然として根強く、被害を抱え込む従業員が少なくない実態が浮き彫りになった。
カスハラ防止条例施行に向け、「勤務先でカスハラ対策の準備はどの程度進んでいるか」を尋ねた。その結果、「自分は一般社員・現場職なので、会社が準備を進めているか分からない」が57.8%と過半数を占めた。
その他「対策の必要性は感じているが、具体的には何も着手できていない」(9.6%)や「義務化に向けて特に対策をとる予定はない」(15.0%)といった未着手、形骸化をうかがわせる回答も目立った。「すでに十分な対策が完了している」との回答は11.5%にとどまった。
これまでに勤務先で実施されたカスハラへの解決策や事後対応について、その後の状況を尋ねたところ、「解決していない」(29.0%)、「解決したかどうか分からない」(45.0%)の回答が全体の7割を占めた。社内マニュアルの配布や簡易的な研修だけでは、現場で発生する多様で悪質なカスハラを根本的に解決・抑止できていない現実が明らかになった。
ヴァンガードスミスは調査を踏まえて、「言葉の認知度は大幅に上がってきたものの、現場では『相談しても無駄』『会社がどこまで対策を進めているのか分からない』といった声が依然として多く、制度整備と現場の実感との間には大きなギャップがあります。企業に求められているのは、単なるマニュアル作成やルールづくりではなく、従業員が本当に守られていると実感できる『実効性のある盾』を持つことです」とコメントした。
調査は、全国の18〜59歳のビジネスパーソン500人を対象にインターネットで実施した。調査日は6月24日。
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