多くの人に飲まれるラガービールを開発するにあたり、「最も苦労したのは、飲み応えの追求です」と根岸氏は話した。
「ビールを飲み慣れている方は、『ビールを飲んだ』と感じるようなコクや深みを重視されます。一方で、それほどビールを飲まない方や日常の食中酒として飲む場合には、重すぎると敬遠されてしまう。確かな飲み応えながら、キレとのどごしを爽やかにするというバランスを追求するのに、非常に苦労しました」
結果的に、3年以上にわたって7〜8種類の試作品を飲み比べ、ようやく味を決めたという。使用したのは、ドイツ産ホップとベルギー産モルトだ。「本当は2025年のうちに発売したかったのですが、どうしても味が決まらず、発売を延長しました」と根岸氏は明かした。
もう一つこだわったのは、「手頃さ」だ。1本138円、24本入りケース3280円という価格は、ドン・キホーテやイオンのPBビールよりも安い。また、従来より1本売りとケース売りの価格差を縮め、1本でも買いやすくしている。
今後狙っていくのは、これまでの黄金シリーズ同様、リピーターによる「箱買い」だ。とはいえ、いきなりの箱買いは難しいため、「まずは1本買ってみよう」と思われる価格にする必要があったという。
「自信作といえるまで味わいを追求したので、1本買っていただければ、継続して購入していただけると考え、この価格にしました」と根岸氏は説明したが、どのように低価格を実現しているのか。
「黄金シリーズは、世界的大手ビールメーカーのベトナム工場で生産されています。2010年の誕生当初はタイで生産していましたが、コストと味わいを維持する目的で、早期にベトナム工場に切り替えました。こうした品質の高い工場と直接取引をしているほか、物流も独自に効率化し、中間コストを最小限に抑えています」
ちなみに、ドン・キホーテの「情熱価格 ラガービール」もベトナムで生産されているが、別工場とのこと。同商品は「大量生産・モノクロ印刷・簡易包装など徹底したコストカットにより、低価格を実現した」としている。ドイツ産ハラタウホップとフランス産ピルスナーモルトを100%使用し、本場チェコの醸造技術で仕上げている。
黄金ラガービールに話を戻すと、4月末の発売から約1カ月で30万本を販売し、計画を上回る売れ行きとなっている。その背景には、綿密に練られた計画があった。
ドンキ「152円ビール」じわり人気 “地味過ぎる”見た目になった深いワケ
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
焼肉店はなぜ急に苦しくなった? ロピアの急成長で見えてきた「新たな競合」
富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実
「格安・大容量コーヒー」東京で1日1000杯爆売れ 韓国発カフェの緻密な戦略Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング