さて、なぜ今回、コンコルド効果を取り上げるのかというと、ビジネスパーソンがこの組織病理を考えるうえで、格好のケーススタディが現在進行形で起きているからだ。
それは「消費税減税」である。
高市早苗首相は、悲願としてきた飲食料品の消費税率1%への引き下げに向け、実現に動いている。自民党は臨時総務会を開催して、基本方針を了承。閣議決定もされ、秋の臨時国会で関連法案を提出するという流れだ。
「ゼロじゃないのが不満だけれど、公約を実現するとは、これまでの首相と比べても評価できるのではないか」という意見も多いかもしれない。しかし、冷静かつ客観的に見ると、この消費減税が国民生活にもたらす恩恵は、それほど大きくない。
まず、本連載で繰り返し述べてきたように、企業や事業者などに手間をかけさせる割に、経済効果は大きくない。飲食料品だけを減税したところで、1人当たり年間約4万円、1世帯当たり約6万〜8万円の減税効果にとどまる。
コロナ禍の「10万円一律給付」よりも少ないので、このときと同じく、貯蓄がちょびっと増えるだけで終わる可能性が高い。欧州などで付加価値税(VAT)を下げた国でも同様の傾向がある。
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