だが、「かぜとゆき」のお客さま相談室に問い合わせをしてみると、意外な答えが返ってきた。
担当者によれば「中国製は扱いません」をチラシやWebサイトから削除したのは、「かぜとゆき」のポリシーが社会に十分浸透したと判断したからだという。わざわざ公言しなくなっただけで「中国製を扱わない」という方針は何も変わっていないというのである。
ただ、企業危機管理に長く携わってきた立場で言わせていただくと、「反中国」という政治的な思想が色濃く反映されたメッセージを、何の説明もなく取り下げる対応は、かなり危ういように思える。
これまで「かぜとゆき」の「中国製を扱いません」という方針を支持していた人も、批判していた人も基本的には“イデオロギー強めの人”である。こういう人たちに企業側が「攻撃する隙」を見せてしまうと、企業側が想定していなかった角度からバッシングが始まり、大炎上につながることがある。
実際、少し前にそういう例が中国であった。同国最大手のミネラルウオーターメーカー「農夫山泉」だ。
きっかけは、同社が販売した緑茶のパッケージに記された説明文だった。
「西暦1267年、日本の僧侶・南浦紹明が径山寺(浙江省杭州市の古刹)において仏教の修行を行い、お茶を嗜(たしな)む習慣を身につけ、蒸した緑茶を東方に持ち帰り人々に伝えた。日本の抹茶はこれが起源となっている」
一見すると、「日本の抹茶文化のルーツは中国にある」という、中華思想(中国を世界の中心とする伝統的な思想)を想起させる愛国的な宣伝文句だが、中国の愛国者たちから、「抹茶は9世紀末に遣唐使によって日本に伝えられたのでは?」というツッコミが殺到した。さらに、この説明の背景に描かれた「五重塔」が京都の東寺のものだったことから、「親日的だ」との批判が広がり、炎上した。
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