分かりやすいのが、食品だ。「かぜとゆき」でも扱っていて、チラシでも表紙に大きく紹介されている吉野家の「牛丼の具10袋」の原材料を見ると、こう記載がある。
牛肉(米国産又はカナダ産又は豪州産(5%未満))、玉ねぎ(中国又は国産又は米国(5%未満))、タレ(国内製造)
こうした事情は、吉野家に限った話ではない。農林水産省の「加工食品の原料原産地表示制度」に「重量割合上位1位の原材料に原料原産地を表示」とあるように、割合の少ない原材料については、原料原産地の表示義務がない。それはつまり、「国内製造」「安心の日本メーカー」をうたう加工食品の中には、中国産の原材料が、消費者からは見えにくい形で含まれている可能性が高いことを意味する。
「そんな反日企業は許せない!」と怒る人たちがいるが、企業にそうした対応を取らせているのは、ほかでもない日本の消費者だ。
「安くてうまい外食」「物価高に苦しむ庶民を支えるスーパーの冷凍食品や総菜」というのがすべて国産原料によるものだと考える人は、今どきそう多くないだろう。日本の外食や加工食品が価格と品質を両立できているのは輸入食材のおかげだ。輸入量に占める中国産の割合は、冷凍野菜で49.4%、鶏肉で34.9%、かつお・マグロ類で20.2%に上る。
電化製品や衣料品も同じだ。「日本国内の工場で製造」とうたっていても、部品や糸は中国から輸入していることが多い。中国は世界有数の糸の生産国なので、「メイド・イン・ジャパン」というタグが付いた衣料品も、中国産の原料なしにはつくれない。
電子機器も同様だ。いくら日本の工場で組み立てても、部品が中国産というケースはある。2025年の中国からの輸入(通関ベース)で最も大きな割合を占めるのは「電気機器およびその部分品」で、29%に及んでいる。今や電化製品に欠かせないリチウムイオン電池も、輸入依存度が70%を超えている。
こういう現実がある中で、食品、衣料品、電化製品、生活用品など幅広く扱う「総合通販」を展開するうえで、「中国製を一切扱いません」という説明には大きな矛盾が生じる可能性がある。
一般の消費者は「そういうこともあるだろう」と受け止めて終わるかもしれないが、“イデオロギー強めの人”はそれで終わらない。吉田氏の主張に腹を立てていた人は「うそつきのネトウヨめ」などと攻撃し、愛国心あふれる人たちは「重箱の隅をつつくような言いがかりをつけるな」などと擁護する。不毛なののしり合いが続けば、「かぜとゆき」のレピュテーションが低下する恐れがある。
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