「アルファードバブル」は終わるのか 残クレ時代の“新たな主役”を探る高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

» 2026年08月21日 06時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

アルファードの中古車、5年間の価格と在庫を見てみると……

 インターネット上に掲載されているアルファードの中古車の平均価格と在庫車数について、直近5年間の変化を調べると、その飽和ぶりがよく分かる(グーネットの掲載情報から算出)。

 先代モデルの30系アルファードがデビューしたのは2015年。しかし、2021年には6年が経過していたにもかかわらず、中古車数は少なく、価格も非常に高かった。そのため買い取り価格も高く、残クレを利用すると、かえって利益が出る「逆ザヤ」現象が発生した。

 そして、残クレでアルファードを購入するユーザーが急増したのである。実際に中古車市場を見てみると、現在最も数が多いのは2021年式で、2019年、2020年、2022年式と比べるとほぼ2〜3倍の在庫数で1200台以上となっている。

 2022年式が少ないのは、まだ残クレの契約途中のユーザーも多いことが影響しているだろう。

 2021年のアルファードの平均価格は430万円前後だった。この高い価格は、その後3年間にわたって維持された。しかし、2024年後半からは、価格が下落傾向に転じている。ここが転換点で、以降、中古車価格は下がり続け、一方で中古車の在庫が積み上がっていった。

中古車市場で圧倒的な在庫数を誇る30系アルファード。2015年式から2023年式までと幅広く、特に2021年式が残クレ利用により販売台数が伸びたため、中古車市場にも多い(写真:トヨタ)

 現在の30系アルファードの中古車在庫数は約3800台となっており、平均価格は365万円。2024年までのピーク時と比べると65万円値下がりしており、この1年強で在庫車数は2700台も増えている。価格下落が在庫のダブつきによることは明白だ。

 残価より高く買い取っていた店舗も、中古車価格が下落傾向になると、査定価格を抑えざるを得ない。業者オークションに流しても、希望額に届かなければ落札されず、価格を下げて再度出品するか、不良在庫となってしまうからだ。

 トヨタディーラーが残価を高く設定して買い支えても、中古車市場が値崩れしていると、残クレ終了時の査定を厳しくせざるを得ない。そうなると、30系からの乗り替えで、残クレを利用して現行の40系アルファードを購入するユーザーは減っていき、リセール狙いで新規購入するユーザーも減るだろう。

 「アルファードバブルははじけた」と判断するのが妥当なのである。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR