管理職が部下に指導しにくくなっている根本原因は、ハラスメント対策の行き過ぎではない。ハラスメントの判断を引き受けていない会社組織の問題だ。
組織に必要な取組みは次の3つに整理できる。
ハラスメントの認定責任は会社にあること、さらに、業務上必要かつ相当な範囲の指導と認められた場合は、通報された社員をしっかり会社が守ると明示する。
禁止事項の列挙だけで終わる研修は、管理職の萎縮を生む原因になる。形式的な基準だけではなく、具体的なコミュニケーションまで指導する。
パワハラの被害相談を該当部門に報告後、当事者に何を伝え、何を伝えないか、相談の回答期限などをあらかじめルール化する。伝えない判断をするなら、手続きが終わったことだけを当事者に告知する。
「正しい指導はハラスメントではない」
こんな当たり前のことが、組織の判断をあいまいにしただけでまかり通らなくなり、過剰に防衛するという萎縮効果を生んでしまう。
パワハラの判断基準の明示と、適切な対処法の指導は、この過剰防衛から一歩抜け出すための突破口である。
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