オフィスで「電動ハンディファン禁止」と言われた……マナーで片付けられない“セキュリティリスク”の存在「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/4 ページ)

» 2026年08月26日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

ハンディファンの火災事故は、実際に多発している

 このなかで、特にしっかりとした根拠があるのが「安全性と火災リスク」だ。

 工業製品の安全性を調べる国の機関、NITE(製品評価技術基盤機構)によると、ハンディファンの爆発事故は、過去5年間で45件も発生している。中にはけが人も出ている。

 NITEが行った実験では、マネキンが首にかけたハンディファンが、胸元付近で爆発する様子も確認されている。原因は、内部のリチウムイオン電池だ。リチウムイオン電池は熱や衝撃に弱く、落としたはずみでスイッチが入り、爆発した事例も報告されている。

 ある消防組合の報告によれば、2019年に購入したハンディファンを、落としたり水に濡らしたりすることなく普通に使用していたにもかかわらず、自宅の床に置いていたところ、突然「シュッ」という音とともに煙と炎が噴出したそうだ。特別な使い方をしていなくても、経年劣化によって発火するリスクがある。

 こうしたリチウムイオン電池は、ハンディファンだけでなく、モバイルバッテリーや電子タバコなど、身近な製品に幅広く使われている。共通しているのは、熱や衝撃、水濡れに弱いこと。高温になる場所に長時間置いたり、落として強い衝撃を与えたりすると、内部の構造が損傷し、発火や爆発につながる。

 夏場は特に注意が必要だ。気温が上がる季節は、電池自体の温度も上昇しやすい。事故が起きやすい時期なのだ。皮肉なことに、暑さをしのぐために使うハンディファンが、暑さそのものによってリスクを高めてしまっている。

安全に使うために、意識しておきたいこと

 オフィスでの使用が認められている場合でも、日頃から気をつけておきたいポイントがある。

 まず、デスクからの落下に注意することだ。うっかり床に落としてしまうと、内部の電池に強い衝撃が加わり、発火のリスクが高まる。次に、長時間の充電放置を避けることだ。満充電のまま放置し続けると、電池に負担がかかりやすくなる。そして、膨張や異常な発熱を感じたら、すぐに使用をやめること。少しでも異変を感じたら、無理に使い続けず、廃棄を検討するのもいい。

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