ところである企業では、若手女性社員たちから、次のような問題提起があったそうだ。
「会議中に、うちわを使ってる人がいる。その風が顔にかかって不快だ」
「本部長が使っている扇子から漂う、あの独特の匂いがキライ」
これまでは、このような声は出てこなかった。しかしハンディファンの持ち込みを禁止するなら、あのうちわや扇子はどうなのか。役職者が使っているから、禁止されないのか。そうした不満が噴出したという。
実際に、
「ハンディファンが禁止なら、うちわや扇子も禁止で」
このような声が出ている企業は、他にもある。
ここまで見てきたように、ハンディファンの禁止理由は、情報セキュリティ、火災リスク、電気の私的利用といったものだ。だから、同じ理由でうちわや扇子を禁止することはできない。
風が顔にあたる、匂いが気になる、といった理由で、
「うちわや扇子も持ち込み禁止」
とはできないだろう。禁止にしたらしたで、「書類でパタパタ」やる人が増えるかもしれない。だからといって、この問題を放置してはよくない。このような声から見えてくるのは、
「役職者たちは優遇されている」
という社員の不満だ。このような不満を放置しておくのは、決して健全とは言えないだろう。会議中の風や匂いに不快感を覚えながらも、相手が役職者であるがゆえに、口に出せずにいる社員は少なくない。
ルール化できないことと、配慮が不要であることは、まったく別の話だ。
「うちわを使う場合は、周りに配慮するように」
「強い香りがする扇子を使うのは控える」
こうした小さな心がけを、上司や役職者にしっかりと示す。それだけでも、職場の空気は変わってくる。ルールにできない不満ほど、日々の気遣いで解消していく必要があるのだ。
さて、話をハンディファンに戻そう。
ハンディファンをオフィスで使いたいと考えている方は、まず自分の会社のルールを確認してほしい。禁止されている会社は、実際に存在するのだから。
その理由が、モーター音や見た目といった配慮の問題なのか、それとも情報セキュリティや電気管理に関わるものなのか、あるいは火災リスクという安全面の問題なのか。理由を知ったうえで使うことは、無用なトラブルを避けるためにも重要だ。
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