SBG本体の債務返済スケジュールをひも解くと、事態の切迫さがより鮮明になる。2027年3月期に返済期限を迎える債務は、実に4兆8562億円。その大半を占めるのが、OpenAIへの巨額出資のために一時的に組んだ「ブリッジローン(つなぎ融資)」だ。
この巨額の借金を、今年度中に別の資金へと借り換えなければ同社の資金繰りは破綻する。今回、個人と機関投資家からかき集める計2兆円の資金は、その防衛戦の「2分の1」を埋めるためのものに過ぎない。
借り換え圧力が強まる一方で、同社の「手元の現預金」は急速に薄くなっている。SBG単体の手元資金は、3月末の3.5兆円から6月末には2.3兆円へと、わずか1四半期で1兆2000億円も激減した。
一見すると、直近(2026年4〜6月期)の投資損益は1兆8594億円と、前年同期(4869億円)から1兆3725億円も急増しており、好調に見える。しかし、親会社に帰属する最終的な純利益は3473億円にとどまり、前年同期比で745億円の減益となっているのが実態だ。
この投資利益の「中身」が曲者である。内訳の主軸はインテル株の1兆3329億円、ByteDance株の3584億円だが、これらはあくまで「帳簿上の評価益」に過ぎない。保有株の価値が上がったと計算しているだけで、同社の口座に現金が振り込まれたわけではないのだ。
手元資金が減り、利益も「絵に描いた餅」である以上、SBGに残された道は一つしかない。返済期限が先で、株価の値動きに一喜一憂せず、追加の担保を差し出す必要もない「安全な借金」を確保することだ。
「無担保、固定金利、期間7年、総額1兆円」。この条件を丸ごと引き受けてくれる機関投資家は、厳しい規制に縛られる国内市場には存在しなかった。だからこそ、SBGは日本の個人投資家に対して、切実に資金調達の手を伸ばしたのである。
社債は、発行会社が債務を履行できれば、満期になれば額面通りにお金が戻る。しかし、会社が倒産するリスクが高まるほど、投資家を引きつけるための利回り(金利)を上げなければ買い手はつかない。借り手の信用力が、そのまま金利に跳ね返るのだ。
SBGが7年前に発行した個人向け社債の利回りは、わずか1.380%だった。それが足元では年4.90%という破格の水準まで急上昇している。この数字の裏側には、単なるインフレの影響を超えた、SBGという企業の「むき出しの焦燥感」が隠されていると言うべきだろう。
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