筆者は普段マクドナルド社員が受講しているクラスの模擬体験に参加した。
「今回は、折り紙を使ったアクティビティを実施してもらいます」
こう切り出したのは、ハンバーガー大学で日ごろ、クラスの計画立案や運営を担うファシリテーターの佐藤三恵子さん。
ハンバーガーと折り紙。両者に一体どんな結び付きがあるのだろう。
「店舗スタッフは1人で仕事を完結させることはなかなかありません。週末のお昼などお客さまが多い時間帯、規模の大きい店舗では、50〜60人のメンバーがチームを組んで店舗体験を提供しています」(佐藤さん)
「私たちにとって、チームメンバーのパフォーマンスを最大化させることは非常に重要な位置付けです。 そのために、リーダーとしてどのような点に注意して行動すべきか。そんな点を考えられるアクティビティになっています」(同)
アクティビティでは、4人1組となり、会場スクリーンに映し出されたものと同じ紙コップを折り紙でつくる。4人全員が必ず紙コップを完成させるための1工程以上に携わらなければいけない。最初の2分で役割分担を決め、4分間でいくつ紙コップを折れるかを、もう一つのチームと競うという流れだ。
折り方の手順書を眺めながら、4人でそれぞれどのパートを折るか役割分担し、流れ作業のように次のメンバーに受け渡しながら、1つの紙コップを4人で完成させていく。
単純な作業ながら、微妙に折り目がずれたりして思いのほか難しい。4分間で完成した紙コップの数は6個。もう一方のチームは7個だった。
「チームとは、共通の目的、達成すべき目標、そのための手段を共有し、互いに責任を果たし、互いに補えるスキルを備えた少人数の集合体である」
ファシリテーターの佐藤さんはアクティビティの合間、チームの定義として組織変革コンサルタントのジョン・カッツェンバック(Jon Katzenbach)氏とダグラス・スミス(Douglas Smith)氏が提唱した定義を紹介し、次のように続けた。
「パフォーマンスが高いチームを作るには『ゴール、役割、ピープル、プロセス』、これら4つの要素全てがそろっていなければなりません」
目標は何か(ゴール)。誰がリーダーを務め、誰がアイデアを記録するか(役割)。チームメンバーはどんな強みを持っているか(ピープル)。チームの意思決定はどう行うか(プロセス)。
こうした一連の要素を学び、身につけることが折り紙を使ったアクティビティの真意なのだった。
「ハンバーガー大学のクラスでは、実際に現場では行わないアクティビティと実務をつなぎ合わせ、そこから気付きを得て、実際の業務にどう生かしていくことができるのかを引き出して、議論しながら学んでいます」(佐藤さん)
絶え間なく入る注文を、手際よくさばいていく現場のクルーたち。彼ら、彼女らもまた同じように折り紙を折る研修を体験しながら、店頭に立っているのかもしれない。
無駄なく統率されたチームプレーの裏に、ハンバーガー大学の存在があることを時折、思い返してみたい。
AIを使いたいが、社内に詳しい人がいない。そこからの1年でした。AI担当を募ると36人が挙手し、非エンジニアの社員がAIに相談しながら自分で業務を自動化。全社に広がり、年間2247時間を削減しました。特別なデータ整備は必要ありませんでした。何から始め、どう広げたのかをお話しします。
マクドナルドは、なぜ強いのか──背景に変化を続ける社風 人材・デジタル・オペレーションの妙
「本社の指示は、あえて無視した」 800億円の価値を生んだ、バーガーキングの「弱者の戦略」
マック一強の牙城を崩せるか バーガーキングが「3つの強み」で描く勝ち筋とは?
シニア4000人、外国人3500人 すかいらーくにはなぜ多様な人材が集まるのか
データを紙・Excelで“バラバラ”管理 松屋が店舗運用のデジタル化を「現場主導」で成し遂げられた理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング