例えば、東京都保健医療局のデータによれば、東京都内で営業許可を得た「飲食店営業(自動車)」は、2017年には3000件程度だったが、コロナ禍以降に急激に増え始め、2021年3月末で4608台になった。
「街のお弁当屋さん」の倒産が急増した2022年には5773台、その後も増加を続け、帝国ホテルが期間限定でキッチンカーを出店するなど、さまざまな分野からも参入があり、2026年9月2日現在では7390台まで膨れ上がっている。
もちろん、「街のお弁当屋さん」を苦しめてきたのはキッチンカーだけではない。これまでライバルとして客の取り合いをしてきたコンビニに加えて、「まいばすけっと」など小型スーパーも増加。ドラッグストアまで総菜を売り始めた。
さらに、コロナ禍以降、売り上げが落ちた居酒屋や飲食店が相次いでランチ営業や店頭での弁当販売を始め、中には仕出し弁当やケータリング業界に参入したプレーヤーもいた。その一例が、テレビでもおなじみの料理人、笠原将弘氏が手掛ける「賛否両論」だ。
2021年、日本最大級の宅配弁当予約サイト「くるめし弁当」で、「賛否両論」の弁当販売を開始。現在も「くるめし弁当」の人気ランキングで上位に入っている。
さて、このようなコロナ禍以降の「弁当業界の新しい動き」を見て、率直にどう感じるだろうか。
プレーヤーが続々と参入することで雇用も生まれているし、消費者側にとっても弁当の多様化が進み、選択肢が増えているので「そんなに悪いことではない」と受け取る人も多いはずだ。
しかし、既存の「街のお弁当屋さん」にとっては、そう単純な話ではない。このような「招かれざる客」がコロナ禍以降、弁当業界に大挙して押し寄せたことが、2022年以降の大きな打撃をもたらした一因だからだ。
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