常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
帝国データバンクが全国1289社を対象に実施したアンケートで、「自社の従業員に何歳ごろまで活躍してほしいか」を質問したところ、平均は67.9歳、中央値は70歳という結果となった。企業に義務づけられている65歳までの雇用確保措置を、3歳ほど上回る結果だ。
規模別にみると、小規模企業が68.3歳、中小企業が68.1歳、大企業が66.8歳。規模が小さいほど、期待する年齢は高い。業界別では農・林・水産が70.1歳で最も高く、運輸・倉庫が68.6歳、サービスが68.5歳と続いた。最も低かったのは身体的負荷が大きい建設の67.4歳。それでも、65歳を上回る年齢だ。
社内における最高齢の従業員の年齢は、平均で68.3歳。最高齢では91歳の従業員が働いているというから驚きだ。
分布をみると65〜69歳が26.0%で最も多く、70〜74歳が24.9%と続く。既に7割近い企業で、65歳を超える従業員が現役で働いているということになる。数字だけを見れば、企業はベテラン従業員が長く活躍してくれることを強く望んでいるように映る。
しかし筆者は、この数字に若干の違和感を覚える。経営者はベテラン社員全員に残ってもらいたいと考えているだろうか。
例えば、健康で現場に立てる職人はどうか。長年の経験で、機械の音だけで異常に気づく。若手が何日も悩む不具合を、数分で原因まで特定するような人だ。私の知人には、「本当にこの企業を買収してもいいのかどうか」を嗅覚で見極める、64歳の敏腕なM&Aアドバイザーがいるが、この方もその一人だろう。企業はこうした人材には、体調が許す限り残ってほしいはずだ。
では、現場にほとんど足を運ばず、会議と調整ばかりしている中間管理職はどうか。デジタルツールもAIも苦手で、若手に頼りきりのベテランはどうだろう。ここで言葉に詰まる経営者は、決して少なくないはずだ。
つまり「70歳まで働いてほしい」という回答の裏には、はっきりとした線引きがある。その線引きをあいまいにしたまま人事制度だけ変えても、残ってほしい人が報われず、そうでない人だけが残ってしまう可能性がある。これでは意味がないのだ。
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