directやナレッジ動画により、社内の情報共有に関する環境を改善した二村氏が、現在取り組んでいるのが「AIを活用したシステム開発」だ。同社では、グループ各社で利用するワークフローやスケジューラーなどが異なり、通知が各ツールやメールに分散してしまうことが大きな課題となっていた。
「グループ会社ごとに異なるSaaSを導入していたため、月額費用がかさむうえ、社内データの管理面でも制約がありました。また、通知がバラバラに届くため社員が見落としやすい状態でした。そこで、社員が一番使っているdirectに通知を集約すると同時に、ワークフローなどの機能自体も1つの自社システムとして統合・内製化できないかと考えたのがスタートでした」(二村氏)
二村氏は以前、広告宣伝部署でWeb制作などに携わっていたものの、高度なプログラミングを専業としていたわけではない。そこで、統合システムの開発に向けて活用したのが、米Anthropicのコーディング支援AIツール「Claude Code」だった。
通常、試作だけでも1カ月程度かかるシステム構築だが「Claude Codeにやりたいことを投げたら、3日足らずでたたき台を作ってくれました」と二村氏。
構築したシステムや機能は、具体的には下記のようなものだ。
・ワークフロー&スケジューラー機能:スケジュールや申請を管理。申請・承認・差し戻しなどのステータス変更は、全てdirectにリアルタイムで通知される。
・ファイル管理システム: 社内で共有するファイルの最新性を保つため、アップロードから3カ月が経過するとダウンロードを一時的にロックする仕組みに。ロックされている場合は利用者が該当ファイルの管理担当へ問い合わせて確認し、最新であると確認できたら管理者が更新ボタンを押して再ダウンロードを可能にする。これにより古いデータの誤用を防ぐ。
・メール着信通知ボット:対話型ボットを通じてWebメーラーと連携し、重要メールの着信をdirectへ通知する。
AIを活用したとしてもシステム開発は容易ではない。AIに同じ間違いを繰り返され、修正に手間取ることもあるという。
「AIも同じミスをすることがあるので、そこを根気強く指摘して修正していくプロセスが必要です。ただ、対話を重ねる中でAI側も学習・改善されていくので、苦労というほどの苦労ではありません」(二村氏)
ミニミニの取り組みは、単なるITツールの導入にとどまらず、現場の声に耳を傾けながらデジタルで課題を解決していく“現場密着型DX”と言える。テクノロジーを活用しながら現場の利便性を追及する同社の挑戦は、多くの企業にとってDX推進のヒントとなりそうだ。
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