まず、実際に50代以降でも年収を上げて転職している人が、どのようなキャリアを歩んでいるのかを見ていきたい。
典型的なのは、外資系企業への転職だ。例えば、ある国内メーカーで同期のトップを走り、入社5年目に会社の費用で海外のビジネススクールに派遣され、帰国後は経営企画畑を歩んできた人がいる。
社内で一定のポジションまで上がり、「これ以上、社内で大きくキャリアを伸ばすのは難しい」と感じ始めたタイミングで、外資系企業から声がかかる。結果として、転職によって年収が大きく上がる。
外資系企業の場合、日本企業と比べて年齢や社歴よりも、専門性や実績、任せられる役割を重視して採用する企業も多い。そのため、50代以降であっても、企業が求める能力と合致すれば、高い条件を提示されることがある。
もう1つあるのが、投資ファンドなどが買収した企業へ、経営人材として転職するケースだ。経営企画、財務、事業再生、M&Aなどの経験を持つ人が、企業の経営改革を担う人材として声をかけられ、現在より高い報酬で迎えられることがある。
こうした人たちに共通しているのは、求人サイトや転職エージェントに登録し、求人に応募した結果というより、外部から直接声がかかるケースが多いという点だ。ヘッドハンティングや、取引先、過去の同僚などを通じた紹介である。
そして、もう1つ重要なのが、「ジェネラリスト」ではなく、明確な専門性を持っていることである。
例えば、経理・財務一筋でキャリアを積み、海外会計やM&Aまで経験している。あるいは法務畑を歩み、海外案件やクロスボーダー取引を担当してきた。
こうした人は、「何ができる人なのか」が外部から見ても分かりやすい。「私は何でもできます」というアピールだけでは、自分の市場価値は伝わりにくい。
「この領域なら任せられる」という明確な専門性があるからこそ、50代以降でも企業から声がかかるのである。
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