では、そもそも転職が簡単には決まらない状況で、50代以降はどうすればいいのか。1つ提案したいのが、「正社員として転職すること」だけをゴールにしないという考え方だ。
シニアの方と話していると、「働く=正社員として雇われること」と考えている方は非常に多い。業務委託や顧問といった働き方に、「正社員より格下」というイメージを持っている人もいる。
しかし、企業から見ると事情は違う。これまで一緒に働いたことのない人を、いきなり正社員として採用するのは、企業にとってもハードルが高い。
特に中小企業では、給与だけではなく、社会保険や福利厚生なども含め、継続的な固定費を負担することになる。その人が本当に自社で成果を出せるか分からない状態で、いきなり高い年収を提示して正社員で雇用するのは難しい。
そこで有効なのが、「まずは業務委託で試してもらう」という入り方だ。
例えば週1回、月5万〜10万円程度でもいい。企業は比較的小さな負担で仕事ぶりを確認できるし、働く側も、その会社の経営陣や社員、組織文化との相性を確かめることができる。
そして成果を示すことができれば、契約は徐々に大きくなっていく。週1回だった仕事が週3回になり、月5万円だった契約が20万円、30万円に増える。
場合によっては、「今後は正社員として入ってほしい」と言われることもある。
多くの人がやろうとしているのは、その逆だ。最初から、「正社員として雇ってください」「この年収を保証してください」と企業に求める。
しかし企業からすれば、まだ成果を確認していない人に高い固定費を支払うのはリスクが大きい。まず実力を示し、その後に条件を上げていく。50代以降では、この順番のほうが現実的なケースも多い。
年収についても同じである。最初から高い固定給を求めるより、「成果が出た分だけ報酬を上げる」という設計のほうが企業に受け入れられやすい。
例えば営業であれば、一定の売り上げを超えた分についてインセンティブを設定する。経営支援であれば、利益改善や事業成長に応じて報酬を上げる。
企業にとっては固定費を抑えられ、働く側にとっては成果次第で報酬を増やせる。雇用形態や固定給だけを見るのではなく、「自分が生み出した価値をどう報酬につなげるか」という考え方を持つことが重要だ。
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