セラミック事業の成長を支えるため、同事業に経営資源を集中させている。住設事業を担当していた研究開発職、エンジニア、工場オペレーターなどをセラミック事業に再配置しており、2025年4月に比べて同事業の人員を約18%増やした(2026年10月時点)。
また、2030年度までに合計約1020億円を投資する。内訳は、研究開発に約90億円、大分県にある中津工場の生産増強などに約330億円、福岡県に豊前工場を新設する費用として約600億円を見込んでいる。これらの工場がフル稼働すれば、静電チャックやAD部材の生産量が現在の1.7倍になる見通しだ。
TOTOが取引する半導体装置メーカーや半導体チップメーカーとのやりとりを基に、田村社長は「AI需要が下火になるという情報は全く出ていない」として、巨額投資に対する自信を見せた。
「半導体業界での投資は、回収期間を限りなく短くしている。回収するまで6〜7年も待っていると、大きな変化が訪れてしまう。できるだけ短い期間で回収し終える想定で計算している。強気の投資額だが、2〜3年で回収できるめどが立っている。むちゃしている感覚はない」(田村社長)
利益の半分以上をセラミック事業が占める状況について、田村社長は「ノーマルな状態ではない」という見方を示す。
「これは住宅設備の方が沈んでいる状態だと考えている。両極差が出ている。住設事業は伸びしろがあり、セラミック事業はもっと伸びる。最終的には、両方とも好調になることが望ましい」(田村社長)
住設事業の業績は、中東情勢の緊迫化がマイナス方向に影響した。TOTO製品の原料となる石油由来の「ナフサ」が不足したことを受け、ユニットバスの新規受注を一時停止した。田村社長は「受注停止の約1カ月が大きく響いた」と振り返る。
国外の住設事業では、米国における住宅市況の低迷や、中国での大型不動産開発の減速が影響した。インドやベトナムなどアジア地域と欧州の売り上げは、堅調に伸長している。
TOTOは、住設事業の売り上げ向上に向けた施策を強化している。国内では、トイレに「便の状態」を測る機能を付けて健康管理に役立てる「デイリーウェルネス」で付加価値を高める他、マンションや宿泊施設など顧客ニーズを踏まえた新商品の展開に注力する。国外ではブランドの認知拡大に一層力を入れる方針だ。
キオクシア中間決算「過去最高」連呼 純利益2.2兆円、初の配当実施 AI需要で「成長さらに加速」
「社名は言えないが……」 半導体材料大手・富士フイルムのキーマンが語るチップ開発の裏側
三菱ケミカル、半導体向けに「温めると縮む新材料」開発 AI時代の課題に光明、何がすごいのか?
なぜルネサスは、TSMCに勝てなかったのか “電子立国ニッポン”当時を知る日立のキーマンが語る
【解説】キオクシアなぜ急成長? 半導体メモリって何? AIブームを見通すための基礎知識Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング