インタビュー
ベネッセHD小林仁社長「学校による格差なくしたい」 生徒に寄り添い最適な学びをサポート:デジタルだけでは不十分(5/5 ページ)
小中学校の学校現場で授業を補完する教材などを長年にわたり提供してきたベネッセ。デジタル教材を活用して生徒に寄り添った学びのサポートを進めようとしている。「教育や介護事業は形やモノではなく、その理念が重要」と強調する小林仁社長に、デジタル時代の教育事業に在り方について聞いた。
先が見えない時だからこそブレない
――ベネッセグループのリーダーとして、心掛けている信条は何でしょうか。
変化が常態化しているので、その変化に立ち向かうために先手を打って変わっていかなければなりません。変化の時だからこそ、自分たちの立ち位置を全員で確認しながら、大きな変化に立ち向かおうと言い続けています。
トップは状況が変わるごとに言うことを変えることは、変化が大きい時だからこそ、やってはいけないことだと思います。ベネッセの創業家、ホールディンクス名誉顧問の福武總一郎がよく言っていましたが、先が見えない時だからこそブレないことが大切です。
先のことは分からないので、1年に2回、各部門で「見立て共有会」を開催していて、これが事業計画のベースになっています。トップダウンも必要ですが、ボトムアップも重要で、今年からグループ社員全員が参加可能な業務改革と新規事業の社内提案制度「B-STAGE(ビーステージ)」を始めたところ、初年度で1800件ほどの提案がありました。このうちいくつかは事業化するかもしれません。
お客さまや社会と接する最前線の現場感覚を大切に、経営と現場が一体となって、ビジョン達成に向けた事業変革と新価値創造に取り組んでいきます。
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