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ヌートバー選手で注目の「ペッパーミル」 元祖は自動車メーカーのプジョー意外な歴史(3/3 ページ)

WBCを戦う日本代表に、日系人として初めて代表入りしたラーズ・ヌートバー外野手の“ペッパーミルパフォーマンス”に注目が集まっている。ペッパーミルの歴史をたどると、仏プジョーが元祖だという。自動車メーカーがなぜ製造したのか。

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自転車でも世界ブランドに 第二次世界大戦後は事業規模拡大

 プジョーは1882年には自転車の製造も開始。プジョー製の自転車は、世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」を通算10度制するなど、自転車の世界でも世界屈指のブランドとして存在感を示している。

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自転車の製造工場(出典:プジョー公式Webサイト)

 製鉄業、工業製品、自転車を経て、それまでに培った技術を集める形で、最終的に自動車製造に至った。ペッパーミルの構造は、自動車のギアに活用されているという。

 参入後は、同国企業の仏ミシュラン製タイヤで世界初の自動車レース(1894年)を走り、優勝。実用車開発も進め、自動車メーカーとしての認知を高めた。ナチス・ドイツ支配下でも極秘で電気自動車「V.L.V」(1941年)を開発するなど、自動車メーカーとしてのDNAを絶やすことなく、事業を継続した。

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世界初の自動車レースで優勝。この時に使われたのが、ミシュランが開発した世界初の空気入りタイヤだった(出典:プジョー公式Webサイト)

 第二次世界大戦後は経営不振に陥った競合の同国企業シトロエンの吸収合併(74年)、米クライスラーの欧州部門買収(79年)によって、事業規模を拡大。仏最大の自動車メーカーとなった。

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6度目の欧州カーオブザイヤー受賞車の「208」(出典:プジョー公式Webサイト)

 プジョーは現在、伊フィアットや米クライスラーなどと共同出資した多国籍自動車メーカー「Stellantis N.V.」(ステランティス)傘下となっている。なお、ステランティスのジョン・エルカーン会長は、フィアット創業家で、伊セリエAの名門サッカークラブ「ユベントス」のオーナー一族として知られる「アニェッリ家」出身。フィアットの事実上傘下の高級スポーツカーメーカー「フェラーリ」の会長も兼務している。

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プジョーなどの親会社ステランティスのジョン・エルカーン会長(出典:フェラーリ公式Webサイト)

 WBCで、ヌートバー選手のパフォーマンスをきっかけに注目を集めたペッパーミル。その歴史をたどると、さまざまな業界で存在感を放つ企業が意外な形で関わっていた。

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ペッパーミルの使用イメージ(提供:ゲッティイメージズ)
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