コラム
更年期障害の中年社員と、どう向き合う? 経済損失は「男女で3.4兆円」:女性だけの問題ではない(2/3 ページ)
女性の就業率向上と就労期間の長期化に伴い、更年期障害による離職やパフォーマンス低下への対策が企業の重要課題となっている。更年期障害は女性特有の問題と認識されがちだが、近年では男性の更年期障害への認識も広がっている。イライラ、身体・精神の不調などが続く中で働く中年のビジネスパーソンに対し、企業が適切な支援をできれば、会社全体の生産性が高まるかもしれない。
女性4割、男性7割が症状の「自覚なし」 空調や季節の変わり目がツライ
パーソル総合研究所が2024年7〜8月に実施した調査によると、40・50代の正社員における更年期症状の保有率は女性で44.5%、男性で37.2%に上った。症状レベルは「なし」「軽度」「受診推奨/中程度」「要長期治療/重度」の4区分に分類され、女性の約1割が要長期治療、男性の約1割が重度レベルに該当する。
さらに、要長期治療レベルの女性の4割強、重度レベルの男性の7割弱が、自身の症状を更年期によるものと自覚していないという。「症状を自覚していない人は、セルフケアの必要性も認識していない可能性がある」(砂川氏)
症状の程度が強いほど仕事への支障も大きく、月6〜12日、1日4〜5時間の影響が出る実態から、年に数日の休暇付与以外の支援策が必要だ。
症状がつらいタイミングを聞くと、男女ともに「多忙な業務に追われているとき」が最多だった。女性の2位には「空調の温度が合わないとき」がランクインしており、冷えや発汗・ほてりに対応できる就労環境の重要性が分かった。
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