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「今年の新人は受け身だな」と決めつける前に、上司のあなたが自覚すべきこと:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)
「なぜ私は新入社員に嫌われているのか……」 ある課長が悩みを深めていた。
下手なレッテル貼りが招く悲劇
なぜその課長は、新入社員に嫌われているのか? 発言からすぐに分かった。
「今年の新人は、受け身の姿勢で困ります。もっと自分から動かないと」
そのように不満を口にするので、どんなエピソードがあったか尋ねると、会議で質問しても、新人は少し考えるだけで「特にありません」と答えたという。他のエピソードを尋ねても、その一回しかないそうだ。
他の新人たちにも、「やる気が見られない」「積極性がない」「個性を主張しすぎだ」と苦言を呈したようだが、まだ1回や2回しか会っていないのに、そのようにレッテルを貼っていたようだ。
私は「それは早すぎる判断では?」と意見をした。
「だから私は嫌われるんでしょうか? 部長から、けっこう厳しく注意されまして」
この課長の思考は「過度の一般化バイアス」に基づいている。少ない情報を手掛かりに、あたかも相手を見抜いたかのように振る舞うのだ。そして一度貼ったレッテルを、なかなか剥(は)がそうとしない。
「この新人は、根が暗い」
「あの部下は、指示がないと動けない」
「どうせ、努力しないタイプだろう」
こうした思い込みは、相手の可能性を閉ざすだけでなく、自分自身のマネジメントの幅も狭めてしまう。
なぜこのように、すぐレッテルを貼りたがるのか。これには心理的な理由がある。不確実なものは人を不安にさせるため、何とかシンプルに解釈し、分かりやすいカテゴリーに押し込めたくなるのだ。
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