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指示通りに動かない部下…… 上司は「期待」すべきか「割り切る」べきか?「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)

部下が指示通りに動かないのは、上司の「姿勢」が原因かもしれない。部下の力を引き出すマネジメント手法を解説する。

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「期待しない」という間違った対処法

 「部下には、一切期待していない」。あるマネジャーはこう語った。

 「もちろん指示は出す。丁寧に依頼はする。しかしその通りにやってくれるだろうと期待すると、裏切られることが多い。腹が立つと、つい怒り口調になる」

 期待しなければイライラしない――確かに一理あるように聞こえる。しかし、これは大きな間違いだ。自分の感情を守るためだけの姿勢だからである。部下はその姿勢を敏感に察知し、信頼を寄せられず、結果として指示に従わなくなるのではないか。

ピグマリオン効果とゴーレム効果

 上司、教師、親など指導する立場にある人は、「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」を覚えておくべきだ。

 期待することで相手が力を発揮しやすくなる心理効果をピグマリオン効果と呼ぶ。反対に、期待しないことで相手が力を発揮しづらくなるのがゴーレム効果である。心理学では広く知られた概念だ。

 20年近く現場でコンサルティングをしてきた経験から断言できる。部下への期待度が低い組織は成果を出せない。

 社長が「うちの社員はアホばっか」と言う会社では、社員は力を出そうとしなくなる。一方で、部下を信じ、期待している企業では時間はかかっても成果を出そうと努力する。

 期待とは、相手に投資することだ。裏切られるリスクはあるが、ビジネスにリスクはつきものだと考えればいい。

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