フランクフルトモーターショー!「Fiat 500(チンクエチェント)編」:+D Style モテるクルマの選び方(2/2 ページ)
今回の「モテ車」臨時特集号は、私がフランクフルトショーで最も楽しみにしていたクルマ「Fiat 500(チンクエチェント)」をご紹介!! その愛らしくかわいらしい姿に、ひと目でハートを打ち抜かれてしまいました。
この茶目っ気、この演出、まさにドギモを抜かれるとはこのこと!
小ささをウリにしているのにあえて巨大チンクエチェントを造ってしまうなんて、その発想の転換に不意打ちを受け、思わずハートを打ち抜かれて、まさにフォーリンラヴです。
しかもその中に乗れるというではありませんか!
列の最後に並ぼうと果敢に挑戦しましたが、あまりの長蛇の行列にあえなく断念……このときばかりは限られた取材の時間の短さを恨みました。
かくなるうえは、ゼッタイにインテリアの写真だけは撮ってやるぞ!! と鼻息荒く展示車両に近づきますが、これまたものすごい人の山!
車格がちいさいので、たどり着くまでなにもみえなかったため、その姿を間近で見たときには後光が射しているように思えたほどでした(大げさですね)。
これが新チンクエチェントです!! ふんだんにメタルを使ったクラシカルだけど丸みがある新しいデザインは、このボディサイズでしか完結しないモノでしょう。これ以上大きなクルマでここまでの装飾をつけてしまうとクドいですよね。丸いお目目がすてきです
展示されていたのは、やわらかい卵色の美しい、チンクエチェントでした。
「ああ……」
取材陣一同、ため息。
それはそれは、ほんとうに愛らしくかわいらしく、高貴にかがやいていたのです。
乗り込むと、NUOVA500のレトロさを上手く再現しながらも新しさも新鮮さも感じる素晴らしいインテリア。
レトロ感を出す手法はミニなどでも見られますし、たいして斬新というわけではありませんが、メーターはレトロに、センターコンソールは使いやすく近代的に、そして随所にイタリア車らしく塗装した鉄をつかった装飾は、うっとりするくらいの時代を越えた普遍的な「モダンデザイン」です。
シートはキャメルに白のパイピングで、これまたポップではないシックなかわいらしさ。
いつまでも座って眺めていたい、そしてこのクルマで出掛けるなら、たくさんアクセルをふかしてしゃかりきに運転するんじゃなくって、ゆっくり「乗ってる自分」に酔いながら運転したい……。お弁当作って、愛犬といっしょに海辺の公園なんかもすてき。紅葉を見に行ったりしても、きっとその赤や黄色に美しく馴染むだろう……。どの季節にもきっと似合うだろう……と一気に「たのしい予感」が胸を満たしました。
一番ビックリしたのは、もう発売されているクルマだというのに、世界中から来たプレスがこぞってこのブースに集まっていたことでした。もしかしたら、ワールドプレミアのクルマよりも集客していたかもしれません。
その圧倒的な人気は、私のようにひと目でハートを打ち抜かれてしまった人々がたくさんいる、ということの裏づけでもありました。
革巻きのステアリングの向こうに見えるのは、オールドスタイルのメーター。エアコン吹き出し口の下にも小物入れも見えます。この色の内装は手入れがね……なんて言わずに、是非このあかるい内装を試して欲しい!! というか、私は欲しい!!
このクルマにはなんだか楽しそうなことがたくさん詰まってる、しかもそれは手の届かないようなお値段ではなく、ちょっと手を伸ばせばきっと、届くようなところに。
日本での発売はまだ決まっていません。ただ、2008年初めにはデリバリーされるだろう、と予想されています。最初に日本に入ってくるのは、ATモデルだとか。
イタリアで見た「NUOVA」と同じ色の展示車を発見しました。最初の写真と比べてみてください。「NUOVA」よりもすっきりシンプルになったリア。しかし丸みを持たせていたり、デザインに統一性をもたせているのがわかります。リアももう少しひねって欲しかったな、というのが唯一残念な点
きっと熾烈な奪い合いが展開されるに違いありません。そしてこのチンクエチェントがまた新たな愛好家を生むことは、間違いないでしょう。
チンクエチェントとは、イタリア語で500、という意味。500のナンバーをつけたチンクエチェントが日本を元気に走り回る姿が、もう目に浮かびます。
筆者プロフィール
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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