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高感度でも高画質なお手頃デジカメ――「FinePix F70EXR」レビュー(2/4 ページ)

» 2009年08月17日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 ちょっとややこしいが、F70EXRは2つのフルオートモードを持っている。ひとつは通常のオート(赤いカメラのアイコン)、もうひとつはEXRポジションにある「EXRオート」である。後者はシーン自動認識機能を持っており、通常の「オート」より賢く処理をしてくれる。お薦めはこのモードである(むしろ旧来のオートモードは不要だったかも)。

撮影メニュー。撮影モードによって設定できる項目が変わる(EXRオートの時は、感度とダイナミックレンジはオートのみ)(写真=左)。DRモードの時のダイナミックレンジ拡張メニュー。普段はオートでいいが、特にハイライト部を抑えたいときは800%にするとよい(写真=右)

 EXRオートではシーン自動認識を行うと同時にCCDのEXRモードを自動的に切り替えてくれる。半押し時にHRと表示されれば1000万画素の高解像度モード。明暗差が非常に大きな構図だと自動的にDRモードになり、暗い場所だとSNモードになる。カメラ任せですべてやってくれるし、ヒット率もなかなか高い。

 EXRオート時は露出補正もできないしISO感度もホワイトバランスもオートのみだが、EXRモードを自分で固定してやると、露出補正やISO感度などを細かく指定できる。EXRオートとうまく使い分けるべし。

 DRモードだとダイナミックレンジが1段分広がるが、F70EXRはさらに「DR拡張」機能を持っている。従来モデルから採用されていた機能で、感度を高めにセットして露出アンダーで撮影し(そうするとハイライト部を抑えられる)、画像処理で適正露出に持ち上げることで、広いダイナミックレンジを実現する。EXRのDRモードとこのDR拡張機能を組み合わせると、よりダイナミックレンジを広げた写真を撮れる。具体的にはこんな感じ。


HRモードで撮影。DR拡張は100。つまり拡張なし(写真=上)。(DRモードでDR拡張オートで撮影。自動的にDR拡張は400%となった(写真=左)。DRモードでDR拡張を800%に広げて撮影(写真=右)

 駅のホームから撮った写真だが、雲の写り方を見ると違いがよく分かる。ダイナミックレンジを拡張しないと、白い雲の明るいところが白飛びしてしまうが、DRモードでダイナミックレンジを拡張して撮ると雲や蛍光灯が飛ばずに残っている。

EXRポジションのときはEXRモードをオートも含めて4つから選ぶことができる。必要に応じて使い分けるとよい。SNとDRでは画像サイズが500万画素相当(2592×1944)となる

 DRやSNの2つのモードを使えるのはEXRポジションのときで、プログラムオートなど他のポジションでは原則としてHRモードとなる。気になったのは撮影時のモードによって設定できる項目(利用できる機能)が違ってくるので、ちょっとややこしいこと。もうちょっとシンプルにできたんじゃないかと思う。

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