季節柄、旅行前にカメラを新調しようというときに気になるんが防水デジカメ。本格的なダイビングには専用のウォータープルーフケースが必要となるが、スノーケリングや沢遊び、野外フェスなど持っていく程度ならば、防水デジカメのタフネス性能が強い味方になる。
こちら(防水デジカメの選び方を考える――2010年版)では現在市場で手に入る防水デジカメの仕様をチェックしたが、その中でもっとも「防水」という言葉から縁遠いイメージのスタイルを持つのがソニーの「DSC-TX5」だ。今回はこのDSC-TX5を実際に海辺で試用した。
このDSC-TX5だが、外観だけでは防水デジカメとはとても思えない。「タフネス」「無骨」といったイメージをまとう同種製品もある中、バンパーやカラビナをつけるための大きなストラップホールなどもなく、街中でもまったく違和感なく利用できるデザインだ。本製品はサイズも94(幅)×56.9(高さ)×17.7(奥行き)ミリ、約128グラム(本体のみ)と小型軽量に仕上がっている。
レンズカバーを下げることで電源が入る(撮影可能な状態になる)のは、既存Tシリーズと同様。ズームレバーは小さいので、グローブをはめた手では操作はしにくいが、本格的なダイビング時の利用を意図するモデルではないので、利用上の問題はないだろう。レンズは光学式手ブレ補正付きの35ミリ換算25〜100ミリの光学4倍ズームレンズで、開放F値は3.5〜4.6とこのクラスの製品としては標準的だ。
防水デジカメらしさを感じさせるのはバッテリーとメディア交換を行うためにアクセスする、底部フタの硬さ。ゴムによるシーリングが施されてるため、気持ち強めにフタを閉め、カチリと音がするまで押し込む必要がある。ただ、同種製品に比べるとフタの硬さは相当に柔らかい部類に入る。防水デジカメの利用経験があれば、少々心ともなく感じてしまうかもしれない。
まずは浅瀬にいる魚を被写体に選んでみた。ゴーグルをつけて水中をのぞき込み、カメラを30センチほど沈めて浅瀬の魚へ向ける。魚の動きは素早いが、好天にも恵まれ(シャッタースピードも確保できた)たため、ズームしてのアップ撮影を狙わなければほぼイメージ通りの写真を撮ることができた。
本製品は防水だけではなく、耐衝撃と防じん(それに耐寒性能も備える)というタフネス性能を持っているので、水中だけではなくどうしても砂まみれになってしまう浜辺でも安心して利用できる。利用する前には、スライド式レンズカバーに砂が入ってしまうのではと思ったが、試用した限り砂の侵入はなく、ボディにすり傷が付いてしまうこともなかった。
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