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カメラ任せで最適な写真――サイバーショット「DSC-TX9」レビュー(1/5 ページ)

» 2010年08月02日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 思い起こせば、最初の裏面照射型(以下 BSI)CMOSセンサーモデル登場が2009年の秋。ソニーのサイバーショット「DSC-WX1」(以下、WX1)と「DSC-TX1」(以下、TX1)だった。画素数こそ1000万画素とやや少なめだったが、高感度と連写に強いこと、その両者とデジタル処理を組み合わせた「スイングパノラマ」や「手持ち夜景」はコンパクトデジカメの未来を予感させたものである。

 これはちょっと大げさかもしれないけれど、周知の通り、2010年になり、各社が自社のラインアップにBSI CMOSセンサーモデルを並ばせるに至ったのである。

 そして1年、BSI CMOSセンサーもバージョンアップ。画素数が1200万画素に増えて、WX1とTX1の後継機である「DSC-WX5」(以下、WX5)と「DSC-TX9」(以下、TX9)が現れた。第2世代のBSI CMOSセンサーモデルは何をどう搭載してきたのか。フラットモデルのTX9でチェックしてみることにした。

フラットなボディのTX9。TX1より開閉はしやすくなった。レンズカバーを開けると撮影可能になる。

「プレミアムおまかせオート」で各機能がより身近に

上から見ると薄さが際だつ。レンズカバーとは別に電源スイッチもある。背面は全面液晶パネルなのでボタン類はここだけ。再生キーを押しても電源ははいる。ズームレバーは小さいけれど、慣れると問題なし。静止画と動画の切り替えボタンもあるが、別途撮影モードから動画モードへいくことも、静止画モード時に背面の動画ボタンを押すことでも録画できる。3つのうち好きな方法を選んでねという感じ

 見ての通り、フラットで薄くて板っぽいサイバーショットの顔を受け継ぐのがTX9。ポイントは5つ。ひとつは屈曲光学系レンズを搭載した薄型モデルであること。F3.5-4.6で25〜100ミリ相当の広角系4倍ズーム。レンズの歪みはデジタルできれいに補正しているのでほとんど感じない。

 2つめは撮像素子。画素数が少し増え、1/2.3インチの1220万画素BSI CMOSセンサーとなった。

 画素数は上げなくてもよかったのに、と思うのだけれども(それよりは、高感度時の画質を上げてもらった方がよほどいい。高画素数を求める人には1400万画素のCCDモデルという選択肢もちゃんとあるのだから)、まあ結局上がっていくものらしい。

背面から。16:9で3.5インチの大きなモニタはそのまま感圧式のタッチパネル。右下に、撮影モードと再生ボタン。左にメニューと4つの機能ボタン(これはカスタマイズ可能)がある(写真=左)。任意の点をタッチするとそこにピントを合わせると同時に自動追尾モードになる。二重枠がその印。右にある「指×」をタップするとタッチAFが終了する(写真=右)

 3つめはTX1と同じく3.5インチの大型液晶を搭載したタッチパネルモデルである、ということ。UIはTX1と同様。最近、タッチパネル搭載デジカメが数社から出ているが、その中ではなかなか考えられた使い勝手となっている。感圧式なのでフリック操作時の反応が微妙ではあるけれども、操作で迷うことやイライラすることは少ない。このくらいなら十分使える。撮影モードもちゃんと1画面でおさまる。特にカスタマイズ機能はうれしい。

MENUをタッチすると撮影メニューが。Pモード時は結構細かく設定できる(写真=左)。カスタマイズ機能を使うと、左に並ぶ4つの機能を好きなモノに入れ替えられる。これはよいアイデア(写真=右)

 ワイドな画面には右下に撮影モード切り替えと再生ボタン、左には4つの機能ボタン(デフォルトでは動画・フラッシュ・セルフタイマー・連写)が用意されているが、左の4つを好きなものにカスタマイズできる。例えば、プログラムオート時は動画とセルフタイマーと連写のかわりにホワイトバランスとISO感度と露出補正を割り当てておくと、いつでもさっと設定を変更できる。これは便利だ。

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