思い起こせば、最初の裏面照射型(以下 BSI)CMOSセンサーモデル登場が2009年の秋。ソニーのサイバーショット「DSC-WX1」(以下、WX1)と「DSC-TX1」(以下、TX1)だった。画素数こそ1000万画素とやや少なめだったが、高感度と連写に強いこと、その両者とデジタル処理を組み合わせた「スイングパノラマ」や「手持ち夜景」はコンパクトデジカメの未来を予感させたものである。
これはちょっと大げさかもしれないけれど、周知の通り、2010年になり、各社が自社のラインアップにBSI CMOSセンサーモデルを並ばせるに至ったのである。
そして1年、BSI CMOSセンサーもバージョンアップ。画素数が1200万画素に増えて、WX1とTX1の後継機である「DSC-WX5」(以下、WX5)と「DSC-TX9」(以下、TX9)が現れた。第2世代のBSI CMOSセンサーモデルは何をどう搭載してきたのか。フラットモデルのTX9でチェックしてみることにした。
・3D撮影とフルHD動画が楽しめる、Exmor R搭載コンパクト「DSC-WX5」
・背面液晶で疑似3Dも楽しめる、薄型サイバーショット「DSC-TX9」
・IXY初のF2.0レンズ&裏面CMOSセンサー搭載、「IXY 30S」を楽しむ
・この春は「裏面照射」が面白い! 搭載5製品を一気に試す(後編)
・この春は「裏面照射」が面白い! 搭載5製品を一気に試す(前編)
見ての通り、フラットで薄くて板っぽいサイバーショットの顔を受け継ぐのがTX9。ポイントは5つ。ひとつは屈曲光学系レンズを搭載した薄型モデルであること。F3.5-4.6で25〜100ミリ相当の広角系4倍ズーム。レンズの歪みはデジタルできれいに補正しているのでほとんど感じない。
2つめは撮像素子。画素数が少し増え、1/2.3インチの1220万画素BSI CMOSセンサーとなった。
画素数は上げなくてもよかったのに、と思うのだけれども(それよりは、高感度時の画質を上げてもらった方がよほどいい。高画素数を求める人には1400万画素のCCDモデルという選択肢もちゃんとあるのだから)、まあ結局上がっていくものらしい。
3つめはTX1と同じく3.5インチの大型液晶を搭載したタッチパネルモデルである、ということ。UIはTX1と同様。最近、タッチパネル搭載デジカメが数社から出ているが、その中ではなかなか考えられた使い勝手となっている。感圧式なのでフリック操作時の反応が微妙ではあるけれども、操作で迷うことやイライラすることは少ない。このくらいなら十分使える。撮影モードもちゃんと1画面でおさまる。特にカスタマイズ機能はうれしい。
ワイドな画面には右下に撮影モード切り替えと再生ボタン、左には4つの機能ボタン(デフォルトでは動画・フラッシュ・セルフタイマー・連写)が用意されているが、左の4つを好きなものにカスタマイズできる。例えば、プログラムオート時は動画とセルフタイマーと連写のかわりにホワイトバランスとISO感度と露出補正を割り当てておくと、いつでもさっと設定を変更できる。これは便利だ。
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