キヤノン「EOS 60D」は、2008年に発売した「EOS 50D」の後継となるデジタル一眼レフだ。EOSシリーズでは初めて液晶のバリアングル機構を採用したほか、カメラ内RAW現像やアートフィルターなどの新機能を搭載。ここではEOS 60Dのβ機を試用し、主に新しくなった機能と操作性をチェックしてみよう。
ボディは、デジタル一眼レフとしては中くらいのサイズで、本体重量は675グラム。EOS 50Dに比べた場合、大きさはやや小さくなり、重量は55グラム軽くなった。バリアングル液晶を新搭載しながらも、軽量化を実現できたのは、ボディの材質や記録メディアを変更したためだ。
外装には、ABS樹脂およびポリカーボネート樹脂、特殊導電性繊維入りポリカーボネート樹脂を採用する。マグネシウム合金が外装の主素材だったEOS 50Dに見比べるとボディの質感は少々劣るが、安っぽいというほどではない。グリップ部や背面、側面の手が当たる部分にはラバーが張られていて、ホールド感は良好だ。
最大の特徴であるバリアングル液晶は、液晶の左側にヒンジがあり、左右に180度、上下に270度まで回転する。開く方向と角度は、オリンパス「E-3」やパナソニック「DMC-GH1」などと同じである。カメラの横/縦位置を問わず、ローアングルやハイアングルからの撮影を無理な姿勢にならずに行える。自分撮りも可能だ。
液晶の仕様は、アスペクト比3:2のワイド3型/約104万画素。EOS 50Dの3型液晶に比べると、約5ミリほど横に広がり、3:2の撮影データをより大きく表示可能になった。液晶の明るさや精細感は十分なレベルだ。
ファインダーには視野率96%、倍率0.95倍、アイポイント22ミリのペンタプリズムを採用する。わずかだが視野率はEOS 50Dよりも向上している。明るく見やすいファインダーといっていい。AFは、中央F2.8対応の全点クロス9点AFセンサーを採用し、背面のマルチコントローラーによってAF測距点の選択ができる。AFスピードは軽快で、多少薄暗いシーンや動体に対しても大きなストレスなく合焦する。
背面上の「ライブビュー撮影/動画撮影ボタン」を押した場合は、ファインダーが閉じて、液晶モニタにライブビューが表示される。ライブビュー時のAFは、これまでのEOSシリーズと同じく、コントラストAFが働く「ライブモード/顔優先ライブモード」、位相差検出AFが働く「クイックモード」の計3方式から選べる。
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