田舎だと広くて都会や森の中だと狭い空。快晴だとただひたすらに青く、でも、季節によって深い青だったり浅い青だったり、湿度が高いと薄い青になる。そこに雲が現れるとまた面白い。秋の空は高いところに雲があるし、夏は低い雲と高い雲がまじって豊かな表情を見せてくれる。風が強いとぼーっと見てるだけで空の表情が変わっていく。
雲の表情はその厚さや光の当たり方で違ってくる。夕焼けの美しさは雲次第だ。
ときどき空を見上げると、その一瞬の空を撮ってみたくなるもの。
そんな空を撮る話。
雲一つない真っ青で快晴な空にカメラを向けると、たいていカメラが困る。ピントが合わないからである。ピントを合わせるべき対象がないのだ。空を撮るときのポイントはそこ。ちょっとした雲だとカメラによってはうまくピントが合わない。これは困る。
そういうときは、遠くにあるなにかにピントを合わせる。超望遠レンズを使わない限り、数10メートル以上遠ければ何でもOK。カメラの特性上、ある程度以上は「無限遠」と同等になるからだ。
それにただ青いだけの空より、地上の何かがちょこっと入ってた方が風景として締まりが出る。
人の目には均一に青い空であってもよく見ると、太陽に近づくほど明るく白くなる。当たり前なんだが、カメラには重要だ。常に太陽の位置を意識するのが大事。
日差しを後頭部に浴びながら撮ると上のように空は均一に青くなり、地上の物体も光が当たってきれいな風景になる。
逆に半逆光だと手前の物体はシルエットになり、空も青から白へのグラデーションになる。
空を撮るときはホワイトバランスを「太陽光」に固定し、露出補正をかけながら撮るといい。1枚目は−1の補正をかけてある。マイナスの補正をかけると色が深くなる。
空が格段に面白くなるのは雲だ。風がある日の雲は刻々と姿を変えてくれるので、これだという瞬間を狙ってみたくなる。
晴れた日、ふと空を見上げると雲がある。この雲ときたら、毎日違う表情を見せてくれて面白いのだ。今日の雲は素晴らしい、と思ったらカメラを向けてみるべし。
広がってくる雲を撮るときは広角がいい。でも、どんな構図で撮るとより自分が心を動かされたイメージに近いかを考える。
結果はこちら。右奥から左上に伸びてくるこの雲に最初に心をひかれたのだ。だからそれが主役になるように撮り直してみた。
旅先の風景も天候で写りがぐっと変わってくる。雲がほどよく出ていればしめたもの。
雲がいい感じに入るよう、水平線を下から1/3くらいの場所において撮る。
1枚で空全部を撮るのは無理。撮れたとしても、一番心ひかれた雲が目立たなくなってはしょうがない。
雲をぐっと主役にしたいときは望遠で迫ってみる。
どちらも秋の川原。人が小さく入ったことでスケール感も出る。遠くにいる人を何気なく小さく入れちゃう。
望遠気味で少し地面を入れてやるだけで雰囲気は全然違ってくるのだ。
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