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高速連写とクイックAFフルHDムービーが魅力の1台――ソニー「α55」(1/5 ページ)

» 2010年10月07日 11時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]

「トランスルーセントミラー」搭載で高速AF

 ソニーのデジタル一眼「α」シリーズの新作として「α55」が登場した。最大の特徴は、ボディ内の光学系に新しい仕掛けを取り入れたこと。これまでの一般的なデジタル一眼レフは、レンズから通った光をボディ内のミラーで反射させ、ファインダーおよびAFセンサーに導く構造を採用していた。そして、シャッターボタンを押すとミラーが上方向にたたまれ、光が撮像素子に当たる、という仕組みだった。

photo 「α55標準ズームキット」。レンズ「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」がセットされる

 これに対してα55では、光を完全に反射するミラーではなく、光を透過する「トランスルーセント(半透過)ミラー」を新搭載した。このミラーは、一部の光のみが反射してAFセンサーへと導かれ、それ以外の多くの光は透過して撮像素子に直接当たるようになっている。従来の一眼レフとは異なり、撮影の瞬間でもミラーは固定されたまま動かない。

 この新方式のメリットは、撮影時にミラーが動かないので、連続撮影などのスピードを高速化でき、かつ光を常にAFセンサーに当てられるので、高速連写中でもAFが追従し続けること。α55はエントリー向け製品でありながら、プロ機に匹敵する秒間10コマの連写を実現。被写体の動きを克明に記録できる。

 ちなみにフィルムカメラの時代には、半透明の「ペリクルミラー」を内蔵したキヤノン「EOS RT」や「EOS-1N RS」という製品があった。ミラーを固定することで高速連写を実現したことや、光を2つに分けるという点ではα55と同じ発想といえる。ただし、ミラーの素材が異なり、分光した光の使い方も異なる。EOSは光学ファインダー用と露光用に光を分けるためにペリクルミラーを使用していたが、α55ではAF用と露光用に光を分けるためにトランスルーセントミラーを使う。α55には光学ファインダーはなく、構図の確認には電子ビューファインダーまたは液晶モニタを使用する。

photophoto クイックリターンミラーのかわりに、トランスルーセントミラーを内蔵(写真=左)、光学ファインダーはなく、電子ビューファインダーと液晶モニタを搭載する(写真=右)
photophoto ボディ天面に」FINDER/LCD」切り替えボタンを装備する(写真=左)、FINDER/LCD切換設定を「オート」にすれば、顔に近づけると電子ビューファインダー表示になる(写真=右)

 電子ビューファインダーの仕様は、大きさ0.46型で総画素数は144万画素。視野率はは100%で倍率は1.1倍となる。背面の液晶モニタは3型の約92万画素。どちらも視認性は良好だ。両者の切り替えは、アイセンサーによる自動、またはボタンによる手動で行える。

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