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デジタルで写真を遊びたい人へ カシオ“EXILIM”「EX-ZR100」(1/4 ページ)

» 2011年03月01日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 相変わらずカシオは面白い。

 他社に先駆けて高速なCMOSセンサーを搭載した「HIGH SPEED EXILIM」シリーズは、単純に連写がはやいというにとどまらなかった。「高速連写をどう生かすか」を考えた末、ダイナミックレンジ拡張、いわゆるHDRに目をつけたのである。

photo 「EX-ZR100」(ホワイト)。ボディはちょっと大きめだがバッテリも大容量で安心して遊べる(撮影可能枚数はCIPA規格で約450枚)。グリップもなかなかしやすいので、ちゃんと握って撮りたい

 まあそれだけなら既に複数社の手がけるところだが、2010年秋モデルの「EX-ZR10」では極端にHDR処理をかけて彩度を上げてコテッとした独特の絵を作り出し、それを「HDRアート」として売り出した。そして、2011年春の「EX-ZR100」では撮影モードに「HDR」と「HDRアート」の2つをつけちゃったのである。

 これはもう「HDRアートでばしばし撮りまくって遊べ」といわれてるとしか思えない大胆さ。だからたくさん遊んでみたのだ。

高倍率ズーム化した上位モデル

 秋にZR10が出たばかりなのに翌春にはもうZR100であるが、後継機ではなく、ZR100が上位モデルだと思っていい。ZR100の方が若干大きくて重く、レンズも12.5倍(24〜300ミリ相当、ZR10は8〜196ミリの7倍ズームレンズ)と高倍率になっている。

photophoto 正面から。レンズは24〜300ミリ相当の12.5倍ズームレンズ

 レンズの明るさはF3.0-5.9で、撮影最短距離は約1センチ。ワイド端では約5センチだが、そこから望遠側にズーミングすると撮影最短距離が短くなっていき、42ミリ相当の時だと約1センチまで近寄れる。さらに76ミリ相当では7センチまで寄れ、それより望遠側では30〜50センチが最短となる。こうして書くとややこしいが、使って見るとなかなかマクロ撮影をしやすい仕様でよい。

 ISO感度は100から3200まで。撮像素子は1/2.3型 有効1200万画素の裏面照射型CMOSセンサー。ZR10と同じだろう。フルハイビジョン動画のほか、ハイスピードモデルなので連写速度は最高秒30コマでハイスピード動画も撮れる。高速な画像処理エンジンの搭載によってか、起動も操作時の反応もきびきびしてて使っててストレスがたまることはまずない。これはよいことだ。

photo 円形十字キーの上下に撮影と再生ボタンがある。左右キーはカスタマイズ可能だ。ディスプレイは3インチで、ハイコントラストで明るくて見やすいのがカシオらしさ

撮影モードダイヤルで分かるZR100のユニークさ

photo 上面からステレオマイクの間にあるHSボタンと、独特の構成を持つ撮影モードダイヤルがポイント。A/S/Mの3ポジションはいらないんじゃないかというくらい。赤い四角がプログラムオートで、Pと書いてあるのがプレミアムオート

 ZR100の面白さは撮影モードダイヤルに表現されており、それを見るのが一番手っ取り早い。A(絞り優先)/S(シャッタースピード優先)/M(マニュアル)の3つを除くと以下の通り。

  • プログラムオート

 これがもっとも普通の撮影モードで細かい撮影設定が可能となっている。HSボタンを押すと高速連写モードに入る。

 高速連写は半押しにした時点からバッファに撮影を始めるのでシャッターを押す直前の写真の記録可能(パスト連写)。HIGH SPEED EXILIMの一番の特徴だ。初期のHIGH SPEED EXILIMは目いっぱい連写すると、バッファにたまった画像をメディアに書き込んでいる間待たねばならなかったが、最近のモデルでは書き出しがバックグラウンドでの処理になり、バッファが空いた分だけすぐ次の撮影ができる。すばらしい。

  • プレミアムオート

 いわゆるシーン自動認識モードだが、風景(青空や緑)や人物と判定するとそこだけデジタル補正処理をかけるなど、見目麗しくなるよう、お化粧してくれるカシオらしい機能。派手目の写真を残したいときはこれ。記録より記憶って感じ。

  • スライドパノラマ

  カメラを振るとパノラマが撮れる、パノラマ撮影機能。ソニー風にいうと「スイングパノラマ」だ。

photophoto ズームレバーを動かすとピントの合う範囲と35ミリ換算の焦点距離が表示されるのがうれしい(写真=左)、HDRアート時はアート効果のレベルをセットできる。ISO感度、ホワイトバランス、露出補正をかけられるのはよい点(写真=右)
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