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EXRな新センサーで“大逆襲” 富士フイルム 「FinePix F550EXR」(2/4 ページ)

» 2011年03月02日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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便利さ優先なるも驚異の15倍ズーム

 ではF550EXRの基本的な話を。

 レンズは35ミリ換算24ミリ相当からの15倍ズームで、望遠端は360ミリ相当になる。このクラスでは最強といえよう。周辺部の画質劣化はけっこう気になるが、ボディサイズを考えれば強烈なスペックだ。明るさはF3.5-5.3。撮影最短距離は広角端で約5センチ。ズーミングによって徐々に撮れる距離は開く。

photophoto 正面から。曲線が特徴。ステレオマイクはシャッターの下に(写真=左)、背面から。円形の十字キーにはロータリーダイヤルが仕込まれている。液晶モニタは3インチ。ちょっとわかりにくいが右下にGPSの状況が表示されている。稲妻マークが出てるときは衛星を探してる状態(写真=右)

 ISO感度はフル画素で撮れるのはISO100〜3200(それ以上は画素数を落とせば可能)。便利なのはISOオートが4種類あり、上限を決められること。

 ボディは曲面を多く使っていてグリップしやすく、撮影モードダイヤルが斜めに付いていて回しやすいのもよい。モードダイヤルにはオート、PASMの他に、EXR、シーンモード、Adv(アドバンストモードで、ここにぐるっとパノラマや連写重ね撮りなどが入っている)などが用意されている。

photo 上から。電源ボタンには青色LED付。その横にあるのは赤外線ポートで、ケータイなどに写真を転送できる
photo この斜めダイヤルが特徴のひとつ。撮影モードにEXRの文字が輝くが、EXRモードはよく使うので、撮影モードを整理して、せめて「オートEXR」と「マニュアルEXR」くらいには分けて欲しい。ダイヤル部が後ろに膨らんでいて、グリップ時の親指のガイドになっているのはすばらしい。録画ボタンはそこについている

 でも、この撮影モードダイヤルの構成はちょっと残念。EXRのウリである「HR/DR/SN」の3つのモードを使い分けられるのは「EXRポジション」のときだけで、それ以外では基本的に「HR」になる。よって、EXRの各モードを使いこなすには、EXRポジションにしたまま十字キーで細々と操作して切り替えねばならないわけで、面倒なのである。

 さてEXRポジションにすると、4つの撮影モードから選べる。

 ひとつは「プレミアムEXRオート」で、いわゆる「シーン自動認識型フルオート」モード。これにしておくと、HRとSNとDRがシーンに合わせて自動的に切り替わるし、「インテリジェントブレ補正」をオンにしておくと、暗所では自動的に「4枚を連写して合成する」という「連写重ね撮り」が働く。一番便利なモードだ。

photophotophoto EXRモードの時は、プレミアムEXRオートか、HR/SN/DRのどれかを選べる。前者の場合はフルオートとなり、すべてカメラ任せ(写真=左)、DRモードの時は、ダイナミックレンジを最大1600%まで広げられる(写真=中)、SNモード時のISO感度設定。オートでは3200まで上げられるのだが、マニュアル設定が1600までなのが謎。他のモードではISO3200も指定できる(写真=右)

 残りは「HR/DR/SN」をそれぞれ選べるモード。この3つはEXRモードを指定できるプログラムオートと思っていい。

 せっかくのウリなのだから撮影モードダイヤルだけで上手にEXRの各モードを使い分けられるようにして欲しかった。

photophotophoto 多彩なブラケット撮影(写真=左)、Advポジションにはパノラマ、連写重ね撮りなど連写系撮影モードが用意されている(写真=中)、マナーモードはよいアイデア。メニューからオンオフできるほか、DISPボタンの長押しでも切り替え可(写真=右)

 使い勝手で面白いのは「マナーモード」。メニューからセットしてもいいし、DISPボタンを長押ししてもいい。ケータイと同じ感覚で、マナーモードにすると音がすべて消え、フラッシュも発光禁止になる。これはよい。

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