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「世界最薄」を軽快に持ち歩く――キヤノン「IXY 410F」(2/3 ページ)

» 2011年04月07日 00時07分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 レンズは35ミリ換算24〜120ミリの光学式手ブレ補正付きの光学5倍ズームレンズで、開放F値はF2.7-F5.9。IXY春モデルのうち、24ミリ相当からのレンズを搭載するのは本製品とIXY 31Sだけなので、室内での撮影が多いひとにとって、このスペックは魅力だろう。最短撮影距離(レンズ先端からの距離)はワイド端で3センチ、テレ端で90センチ。おまかせオート時にはオートマクロとなるほか、プログラムオート時にも十字キー左でマクロモードに切り替えられる。

photophoto 24ミリ相当のワイド端(写真=左)と120ミリ相当のテレ端(写真=右)

 撮像素子は1/2.3型 有効1210万画素の裏面照射型センサーで、ここに画像処理エンジン「DiGiC4」を組み合わせたノイズ低減/ダイナミックレンジ拡大システム「HS SYSTEM」を搭載する。おまかせオート時にISO感度は最高1600まであがるが、HS SYSTEM導入のおかげでノイズはかなり低減されている(プログラムオート時は最高ISO3200、撮影モードで「ローライト」モードを選択すればISO6400まで利用できる)。

photo おまかせオートによる夜景 ISO1600

 センサー自体のアスペクト比は4:3だが、それ以外にも16:9、3:2、1:1での記録も可能となっており、最大の画像サイズはそれぞれ4000×3000ピクセル、4000×2248ピクセル、4000×2664ピクセル、2992×2992ピクセルとなる。前述したとおり、アスペクト比の変更はこだわりオート撮影時にも利用できるので、ちょっと趣向を変えた写真を撮りたいときなどに利用すると楽しい。

photophoto アスペクト比1:1(写真=左)とアスペクト比4:3(写真=右)
photophoto アスペクト比3:2(写真=左)とアスペクト比16:9(写真=右)

この薄さでフルハイビジョン録画

 動画は1920×1080ピクセル/24fpsのフルハイビジョン動画を撮影可能で、背面の録画ボタンを押すとすぐさま動画撮影が開始される。小さいながらもステレオマイクを搭載しており、音声はステレオ収録される。動画撮影中の光学ズームも可能だが、各社の今春モデルでいくつか採用されている動画撮影中にシャッターボタンで静止画記録」という機能は備えておらず、動画撮影中シャッターボタンを押すと録画停止となる。

 静止画撮影時と同様、シーン識別機能を搭載しており、カメラが常に「人物/明るい」など被写体と状況に応じた調整を行い続ける。ただ、さすがに映像記録機器であるビデオカメラに比べるとAFや被写体認識のスピードで劣るほか、カメラを素早く左右に振ると映像がゆがむ現象が起こる。あくまでも動画スナップ用ととらえる方がいいだろう。

まとめ

 IXY春モデルではタッチパネルを搭載した「IXY 31S」の存在が目をひくものの、本製品の撮像素子や画像処理エンジンといった基幹部分はIXY 31Sと同等であり、こだわりオートの識別シーン数、最高ISO感度などのスペックも同一だ。

 レンズは31Sに比べるとやや暗く(IXY 31Sは24〜105ミリ相当 F2.0-5.8、IXY 410Fは24〜120ミリ相当、F2.7-5.9)、液晶サイズも小さいが(IXY 31Sは3.2型ワイド、IXY 410Fは2.7型)、軽快さという意味では間違いなくIXY 410Fに軍配が上がる。

 コンパクトデジカメの高性能化が進む中、IXY 410Fは突出した撮影機能を備える訳ではないのだが、コンパクトデジカメに求められる要素を過不足なく備えており、なおかつ、薄くて軽いボディは利用者に携行する負担を感じさせない。動作レスポンスも高速であり、サッとポケットから取り出して1枚撮り、サッとしまう。そんな普段使いのカメラとしたい1台だ。

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