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単焦点レンズでプロのようなボケ味を手に入れるデジイチ初心者応援(1/2 ページ)

» 2011年04月08日 11時11分 公開
[mi2_303,ITmedia]

 コンパクトデジカメからのステップアップとしてデジタル一眼を購入してみたものの「何か物足りない」と思ったことはありませんか? そんな方へ向けて、数回にわたって比較的安価に購入できる、パワーアップアイテムをご紹介します。今回は、プロが撮影した写真のように背景をボカす事のでき、エントリー向けデジタル一眼への組み合わせにも適した価格帯で入手可能な、比較的安価な単焦点レンズを使ってみます。

 今回用意したのは、カメラ本体に、ニコンのエントリー向けデジタル一眼レフ「D3100」とキットレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」(以下 18-55mm 3.5-5.6)、それに単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」(以下 50mm F1.4)です。まずはこの2本を比較しながら使ってみます。

photo ニコン「D3100」
photo 単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」

photo

 18-55mm 3.5-5.6は、広い風景写真や被写体をズームアップした写真が撮れる便利なレンズです。そして、今回ピックアップした50mm F1.4は単焦点レンズといって、50mmに焦点距離が固定されたレンズです。

 さまざまななシチュエーションに対応できるズームレンズと比較すると、単焦点レンズはズームができない不便なレンズと感じるかもしれませんが、50mmの焦点距離だけの専用設計となるので高画質・高解像度を期待できるほか、暗い場所でも光を多く取り込めるF1.4という明るさもあり、大きなボケのある写真を撮れることがこのレンズの魅力です。

標準レンズと50mmレンズのボケの違い

 それでは早速、この2本を使ってボケを比較してみましょう。

photo 18-55mm 3.5-5.6 焦点距離50ミリの絞り開放(F5.6)の写真です。手前の桜以外はボケて奥行きがあるように見えます
photo 50mm F1.4の絞り開放(F1.4)の写真です。こちらは、手前の桜以外は大きくボケて桜の花が強調された写真になりました

 このように、同じ50ミリの焦点距離でも、F値が違うだけでボケの大きさがここまで違うと言うことがおわかり頂けたと思います。

 次は、50mm F1.4を使いF1.4からF11まで一段ずつ絞って、背景のボケ具合の変化を撮影した写真です。標準ズームレンズの18-55mm 3.5-5.6では、この写真のF5.6からF11までの写真と同じようなボケ方をします。

photo 50mm F1.4絞りF1.4。背景は綿の様なふわふわのボケをしています。ピントの合っている部分も柔らかめです
photo 50mm F1.4絞りF2。背景は少し桜の花の形を思わせるようなボケに見えます。ピントの合っている部分がハッキリしています

photo 50mm F1.4絞りF2.8。少し奥の桜の花の形が分かって来ました
photo 50mm F1.4絞りF4。手前の桜全体にピントが合っています。奥の桜も細かく見えるようになりました

photo 50mm F1.4絞りF5.6。中間距離の桜の輪郭が見えるようになってきました。このF値から標準ズームレンズと同じF値になります
photo 50mm F1.4絞りF8。ボケの中の花がひとつひとつ分離してきました

photo 50mm F1.4絞りF11。奥のボケが更に細かくなり情報量が多くなったような印象を受けます。桜の花の多さは表現できますが、手前の桜が埋もれてしまう様な印象も受けます

 このように、F値によってボケ具合が変化していきます。明るい単焦点レンズ1本あるだけで、これだけの多彩な表現力ができます。

ボケの大きさを自在にコントロールしてみよう

 ボケの大きさは、被写体との距離と背景との距離に応じて変化します。大きくボカす基本は「被写体に近づいて撮る。背景を遠くにする」ことです。次の作例は、被写体と少し離れて、やや近めの背景で撮影してみました。標準レンズ(焦点距離50mm)と50mmレンズのボケの違いにも注目してみて下さい。

photo 18-55mm 3.5-5.6絞りF5.6。背景もハッキリと写っています
photo 50mm F1.4絞りF1.4。背景がぼけている様子が分かります。葉の光が丸い点光源となります。これだけで、人物が浮き出して見えるようになりました

 少し人物に寄って撮影しました。

photo 18-55mm 3.5-5.6絞りF5.6。背景の木の枝や、遠くの建物の窓の形が分かります
photo 50mm F1.4絞りF1.4。枝や建物がボケて、画面構成が少し整理された印象となりました

 さらに人物へ近づいて、撮影してみました。

photo 18-55mm 3.5-5.6絞りF5.6。ボケの大きさが最初に撮影した50mm F1.4と同じぐらいになりました。被写体に近づけばボケの量が多くなることが分かります
photo 50mm F1.4絞りF1.4。背景がとろけるようになりました

 このように、被写体との距離でボケの大きさをコントロールできます。

 背景の距離に応じてボケの大きさが変わる様子が、こちらです。

photo 18-55mm 3.5-5.6絞りF5.6。遠くの方へ行けば行くほど、木の輪郭が甘くなっていきます
photo 50mm F1.4絞りF1.4。一番奥の遠い木は輪郭も無くなり溶けてしまっています。大きなボケのおかげで、人物が浮かび上がって見えるようになりました

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