前々回(デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門:第1回 写真を見違えるように仕上げるRAW現像の基本)ではRAW撮影のメリット、前回(デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門:第2回 現像モジュールの7つの機能を使いこなす)はLightroomにおけるRAW現像の基本を紹介しました。今回は、Lightroomの複数の機能を活用して、デジタル一眼で撮影したRAWデータを狙ったイメージに仕上げる方法を紹介しましょう。
まずは、風景写真の形と色を最適化するケースです。素材となる元の写真は、広角レンズで撮影したため灯台が斜めに傾いて写っています。水平線の傾きや、ややぼんやりとした色合いも気になります。
傾きを補正するために、「レンズ補正」パネルを開き、「手動」の「ゆがみ」と「垂直方向」「水平方向」「回転」の各スライダを調整。操作中に表示されるグリッドを見ながら、垂直と水平をまっすぐに補正します。「切り抜きを制限」にチェックを入れると、補正によって生じた余白部分を自動的にトリミングできます
次に、空をいっそう鮮やかな色にするため、ツールアイコンから「段階フィルター」を適用します。段階フィルターは、ドラッグした範囲の色や明るさ、コントラストなどを段階的に調整するツールです。この写真では、画面上から水平線付近まで下向きにドラッグし、その部分の露光量を下げつつ、コントラストを高めました「明暗別色補正」パネルでは、写真のハイライト部とシャドウ部のそれぞれに特定の色みを追加することができます。この機能を利用して、フルカラーの写真を2色で構成されたダブルトーン風の写真に変換してみましょう。
次に「明暗別色補正」パネルを開き、右側にある長方形のカラーボックスをクリックしてカラーピッカーを表示し、ハイライトとシャドウのそれぞれに加えたい色を設定します。また「バランス」のスライダを動かして、ハイライトとシャドウの割合を調整します
最後に「補正ブラシ」を利用して部分的な補正を加えます。補正ブラシは、ドラッグした範囲の色や明るさ、コントラスト、彩度などをコントロールするツールです。この写真では、露光量をマイナスに設定した補正ブラシで空の部分をドラッグし、空が暗くなるように補正しました最近のデジタル一眼は、写真にさまざまな特殊効果を加えるエフェクト機能を搭載した製品が増えています。そんなカメラのエフェクト機能と同じような効果は、Lightroomでも簡単に作り出すことができます。ここでは、トイカメラのようなイメージに仕上げる方法を紹介しましょう。
Lightroomで行うさまざまな補正の設定は、メニューの「写真」から、「プリセット」として名前を付けて保存することができます。いったんプリセットに保存しておけば、別の写真に対して同じ補正をワンクリックで適用可能になります。
また、あらかじめLightroom内に用意されたプリセットを利用したり、ウェブ上で公開されているユーザープリセットをダウンロードして使用することもできます。ウェブ上のプリセットは「Lightroom プリセット」などで検索すれば、特定のフィルム風や印画紙風、レトロ調などさまざまな種類のものを見つけられるはずです。
他の人が作成したプリセットを利用することは、その補正をそのまま適用するだけでなく、自分では気が付かなかった機能の設定や組み合わせ方を発見し、学べるというメリットもあります。プロカメラマンを含めた数多くのユーザーが、世界中にいるLightroomの強みといえる部分です。
デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門:第2回 現像モジュールの7つの機能を使いこなす
デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門:第1回 写真を見違えるように仕上げるRAW現像の基本
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