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「COOLPIX」でも「D」でもない新しいカメラ――「Nikon 1」(前編)(1/3 ページ)

» 2011年10月18日 10時36分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 一眼レフ界二大巨頭のひとつ、ニコンがとうとうミラーレス一眼(ニコンは「レンズ交換式アドバンストカメラ」と呼んでいる)を投入した。その名も「Nikon 1」である。名前からして、コンパクトデジカメ、デジタル一眼レフに次ぐ柱に育てようという気概を感じる。

 その第一弾であるV1とJ1、正式にいえば「Nikon 1 V1」と「Nikon 1 J1」で、なんか「1」が多い名前だなあと思いつつ、見た目も価格も違うけど共通点はとても多いので、まとめて紹介しよう。まずはV1とJ1の違いからだ。

photo 「Nikon 1 V1」と「Nikon 1 J1」。凸部をもつのがV1。J1よりV1の方が高さも厚みもあってちょっと大きい。それぞれレンズキットのボディと色が一致したレンズを装着しているが、もちろん互いにレンズは交換可能だ

1インチセンサー用の新しい「1マウント」

 Nikon 1は1インチ撮像素子を搭載した新シリーズで、もちろん専用の新しいマウントを搭載している。

 マイクロフォーサーズが4/3インチ(1.3333……インチ)なので、それよりひとまわり小さい感じ。ハイエンドコンデジでの採用例が多い1/1.7インチは0.588インチなのでそれよりはかなり大きい。この撮像素子サイズは対角線をあらわすので、面積としてはかなりの差になる。撮像素子が小さいのでその分マウントも小さいが、マイクロフォーサーズに比べると余裕のあるマウント径になってるのが分かる。

photo レンズを外して正面からマウントを部を中心に。撮像素子は1インチ
photo 比較用にマイクロフォーサーズ(4/3インチ)のDMC-G3と並べてみた。V1は意外に大きいこと、撮像素子サイズの差はけっこうあること、Nikon 1の方が撮像素子に比べてマウント径が大きめで余裕があることが分かる

 その撮像素子は有効1000万画素のCMOSセンサーでアスペクト比は3:2。1/2.3インチのコンデジサイズで1600万画素のセンサーもある時代に、1000万画素で抑えたのは画質面からもよいことだと思うし、じっさい、クオリティはなかなかだ。

 このセンサーがすごいのは、AF機能を持ってること。「スーパーハイスピードAF CMOSセンサー」という長い名前だ。センサー上に位相差検出式のAFセンサーを135点装備してる、撮像面位相差検出方式なのだ。画素と画素の間に小さなセンサーを埋め込み、コントラスト検出AFと併用してるそうである。

 レンズ交換式では世界初だが、実はコンデジには同様の仕組みを採用した製品が既にある。富士フイルムが2010年に出した「FinePix F300EXR」(レビュー)がそうだ。広角側では差はあまり感じなかったが、望遠になるほどAFの速さを実感したという記憶がある。

 Nikon 1のAFも速い。すっとフォーカスが決まる感じ。これはよい。

 ボディにあわせてレンズは4本用意されたが、今回は10mm/F2.8の広角レンズ「1 NIKKOR 10mm f/2.8」(35ミリ換算27ミリ相当)と標準ズームレンズ「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6」(35ミリ換算27〜81ミリ相当)の2本を用意した。手ブレ補正は本体内蔵型だ。

 標準ズームレンズは沈胴式で、撮影時はボタンを押しながらズームリングを回して繰り出さねばならないが、このズームリングが電源と連動しており、回して電源を入れるクセをつければなんてことはない。ただし、レンズを沈胴させても電源はオフにならないのが残念。レンズをひっこめたらオフになればいいのに(ちなみに、富士フイルムの「X10」はオンもオフもやってくれる)。

photophoto V1を上から。よく見るとけっこう分厚い。EVFの左にあるカバーを取るとマルチアクセサリーポートがあり、今のところ外付けフラッシュが用意されている。右には電源、シャッター、動画撮影ボタンの3つが並ぶだけというシンプルな構成だ。レンズは10mmF2.8。フォーカスリングはなく、MF時は本体側で操作する(写真=左)、J1を上から。V1以上にシンプルなデザイン。レンズについている黒いボタンを押しながらズームリングを回すことでレンズがせり出て本体の電源が入る仕組み(写真=右)
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