一眼レフ界二大巨頭のひとつ、ニコンがとうとうミラーレス一眼(ニコンは「レンズ交換式アドバンストカメラ」と呼んでいる)を投入した。その名も「Nikon 1」である。名前からして、コンパクトデジカメ、デジタル一眼レフに次ぐ柱に育てようという気概を感じる。
その第一弾であるV1とJ1、正式にいえば「Nikon 1 V1」と「Nikon 1 J1」で、なんか「1」が多い名前だなあと思いつつ、見た目も価格も違うけど共通点はとても多いので、まとめて紹介しよう。まずはV1とJ1の違いからだ。
Nikon 1は1インチ撮像素子を搭載した新シリーズで、もちろん専用の新しいマウントを搭載している。
マイクロフォーサーズが4/3インチ(1.3333……インチ)なので、それよりひとまわり小さい感じ。ハイエンドコンデジでの採用例が多い1/1.7インチは0.588インチなのでそれよりはかなり大きい。この撮像素子サイズは対角線をあらわすので、面積としてはかなりの差になる。撮像素子が小さいのでその分マウントも小さいが、マイクロフォーサーズに比べると余裕のあるマウント径になってるのが分かる。
その撮像素子は有効1000万画素のCMOSセンサーでアスペクト比は3:2。1/2.3インチのコンデジサイズで1600万画素のセンサーもある時代に、1000万画素で抑えたのは画質面からもよいことだと思うし、じっさい、クオリティはなかなかだ。
このセンサーがすごいのは、AF機能を持ってること。「スーパーハイスピードAF CMOSセンサー」という長い名前だ。センサー上に位相差検出式のAFセンサーを135点装備してる、撮像面位相差検出方式なのだ。画素と画素の間に小さなセンサーを埋め込み、コントラスト検出AFと併用してるそうである。
レンズ交換式では世界初だが、実はコンデジには同様の仕組みを採用した製品が既にある。富士フイルムが2010年に出した「FinePix F300EXR」(レビュー)がそうだ。広角側では差はあまり感じなかったが、望遠になるほどAFの速さを実感したという記憶がある。
Nikon 1のAFも速い。すっとフォーカスが決まる感じ。これはよい。
ボディにあわせてレンズは4本用意されたが、今回は10mm/F2.8の広角レンズ「1 NIKKOR 10mm f/2.8」(35ミリ換算27ミリ相当)と標準ズームレンズ「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6」(35ミリ換算27〜81ミリ相当)の2本を用意した。手ブレ補正は本体内蔵型だ。
標準ズームレンズは沈胴式で、撮影時はボタンを押しながらズームリングを回して繰り出さねばならないが、このズームリングが電源と連動しており、回して電源を入れるクセをつければなんてことはない。ただし、レンズを沈胴させても電源はオフにならないのが残念。レンズをひっこめたらオフになればいいのに(ちなみに、富士フイルムの「X10」はオンもオフもやってくれる)。
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