次に、都立浜離宮恩賜庭園を訪れました。季節ごとにさまざまな植物が楽しめる場所で、ちょうど今はコスモスの花が見ごろです。この日は快晴。平日にもかかわらず、大きなカメラを担いだ大勢の人たちでにぎわっていました。下の写真は、カメラを低い位置に構えて背景を青空にして写したもの。外部ストロボを発光させ、鮮やかな色彩感を際立たせています。
続いて、調布市にある神代植物公園に向かいました。浜離宮庭園と同じく、花好きの人にはおなじみの場所。ここもやはり、たくさんのカメラマンでにぎわっています。そのほとんどは年配の方。中には、写真サークルのようなグループで訪れている人たちも見受けられます。花のマクロ撮影は、年齢や性別を問わず誰もが気軽に楽しめる趣味として最適だからでしょう。
下の写真は、部分を切り取るような構図を選ぶことで、植物のフォルムを強調したもの。180ミリという長めの焦点距離によるミクロな視点は、肉眼とはまったく異なる見え方となり、ファインダーをのぞいているだけでも新鮮な発見があり、ちょっとした興奮さえ覚えます。
さらに造形の面白さを引き立てるために、次の写真ではモノクロモードを選んでみました。ライブビューを利用すれば、モノクロの状態をリアルタイムで確認できるのが便利です。
被写体はダリアの花。密集した小さな花びらは、貝殻のようにも、あるいはガラス細工にようにも見えます。整然と並んでいるようで、よく見ると、ひとつひとつの花びらの形が微妙に異なっている点もユニークです。
見れば見るほど興味が深まり、撮っても撮っても飽きない、そんなマクロ撮影の沼に、私自身がはまりつつあるのかもしれません。そういえば、最初は「重すぎる!」と感じたこのレンズの重量は、撮影に夢中になるほど、いつの間にか気にならなくなっていました。
デジタル一眼レンズの楽しみ:第10回 明るい単焦点レンズで撮る動物ポートレート――オリンパス「ED 75mm F1.8」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第9回 大口径ズームで撮る日本の最北端――タムロン「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第8回 標準レンズで楽しむ巨大建造物めぐり――シグマ「30mm F2.8 EX DN」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第7回 明るい広角レンズで撮る春の旅スナップ――オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第6回 単焦点レンズで風景を切り取るように撮る――ソニー「E 50mm F1.8 OSS」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第5回 望遠ズームで朝日や夕日のシルエットを狙う――キヤノン「EF70-300mm F4-5.6L IS USM」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第4回 夜景とボケを楽しめる明るい単焦点レンズ――ソニー「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第3回 1本で2度おいしい魚眼ズーム――キヤノン「EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第2回 ライカ印のコンパクトマクロ――パナソニック「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.」
デジタル一眼レンズの楽しみ:第1回 風景をまるごと写す超広角ズーム――シグマ「8-16mm F4.5-5.6 DC HSM」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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