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心地よさと描写にこだわった高級コンパクト オリンパス「STYLUS XZ-2」(2/3 ページ)

» 2012年11月06日 00時10分 公開
[野村シンヤ,ITmedia]
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2つのボタンとリング、絶妙な連携が生む操作性

 外観部分でも紹介したが、2つのファンクションボタンとレバー操作で機能が切り替わるコントロールリングによる操作性能の向上は特筆すべき部分だ。

photo 「Fn2」ボタンは右手薬指(もしくは中指)で。Fn2ボタンで各種機能を切り替え、コントロールリングで設定値を変更できるのはとっても便利

 慣れや個人差にもよるだろうが、ボタンなどは極力少ない方が操作に迷いが生じず、撮影に集中できる。しかし、ボタンを少なくすると、いざ設定するときになって深い階層をたどる面倒さというジレンマも発生する。XZ-2では、基本的な機能ボタンはそのままに、ユーザーに設定してもらうボタンを2つ用意し、好評だったコントロールリングに2つの機能を持たせることで、この問題を解決しようとしている。

 実際に操作してみるとFn2ボタンはなかなか便利。グリップの近くにあるので最初のうちは誤って押してしまうということもあったのだが、慣れてくると右手の薬指でボタンを押して機能を呼び出し、左手のコントロールリングで選択するといった一連の流れがとてもスムーズに感じされる。Fn2ボタンは押すたびに機能を切り替えることができるし、メニューの「カスタムメニュー」「ボタン/ダイヤル/レバー」で呼び出す機能を選べるので、自分に合わせたカスタマイズができる点もうれしい。

photophoto Fn1、Fn2ボタンは「設定」からそれぞれ機能を割り当てることが可能

 新搭載されたタッチパネル機能についても触れておこう。昨今ではスマートフォンの普及は目覚ましく、液晶にタッチすれば操作できるという感覚が染みついている人も多いと思う。XZ-2では、AF枠をタッチした場所にフォーカスする「タッチAF」やシャッターを切る「タッチシャッター」、再生画面で指を滑らせるフリック操作による写真の選択、拡大・縮小ボタンによるタッチ操作、ライブガイドの設定などができる。

 再生画面で、拡大・縮小がピンチイン・ピンチアウトに対応しないのが惜しまれるが、撮影の設定状態と設定が一覧表示される「スーパーコンパネ」からタッチで操作可能なので、買って間もないユーザーでもさまざまな機能を把握して使うことができるのはいい。

photophoto タッチAF、タッチシャッターは液晶モニター左に表示されている黄色のアイコンでそれぞれ切り替えることができる(写真=左)、再生時はフリック操作で撮影した写真を切り替えることができる。拡大・縮小はタッチすると右下に表示される黄色のアイコンに触れることで操作可能(写真=右)
photo 撮影モード「P」「A」「S」「M」でOKボタンを押すと表示されるスーパーコンパネ。設定状態を一覧できるうえ、タッチ操作で切り替えられるところが便利。設定で「カスタムメニュー」「表示」「Control表示」にしてモードを選び、「LVスーパーコンパネ」にチェックを入れると使えるようになる

アートフィルターがバリエーション追加

 オリンパスといえば簡単に雰囲気のある写真が撮れる「アートフィルター」機能が人気の1つ。XZ-2にもアートフィルター機能は搭載されており、今回はイラストテイストな写真に仕上げる「リーニュクレール」のほか、「クロスプロセスII」「ドラマチックトーンII」が追加された。

photo アートフィルター「リーニュクレール」は写真をイラスト風のタッチに仕上げてくれる

 アートフィルターは面白いのだが、どのシーンに適用すればよいのかイマイチつかめないというユーザーも多いと思う。数を試せばよいのだがそのたびに設定を変えるのも面倒、それを解決してくれるのがブラケット機能だ。

 ブラケット撮影といえば、露出やホワイトバランスをカメラが自動的に変更しながら撮ってくれるものが一般的だが、XZ-2ではそれをアートフィルターで行える。1回のシャッターで複数のアートフィルターを加えた写真が撮れてしまうのだ。どれをブラケット撮影時に適用するかもそれぞれエフェクトごとに設定できるので、試してみたいものがあったらどんどん使ってみよう。作品作りのヒントになるはずだ。

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photophotophoto ブラケット機能でアートフィルターを設定すれば、一回のシャッターで連続撮影してくれるので設定変更の手間もないし、アングルも統一されるので便利。順番に「ノーマル」「ポップアート」「ファンタジックフォーカス」「デイドリーム」「ライトトーン」「ラフモノクローム」「トイフォト」「ジオラマ」「クロスプロセス」「ジェントルセピア」「ドラマチックトーン」「リーニュクレール」

 用意されている別売アクセサリー類も豊富で、「レッド」「パープル」「ベージュ」の3色から選べるプレミアムグリップ「XCG-2」、焦点距離が1.7倍になる「TCON-17X」テレコンバージョンレンズやXZ-2専用の45m防水プロテクター「PT-054」、鏡筒の伸縮に合わせて、自動でハネが開閉するレンズキャップ「LC-63A」などが用意されており、自分好みにカスタマイズしながら撮影領域が広がる楽しみもある。

 XZ-2は高性能レンズの性能を最大限に生かすべく、最新のiHSテクノロジーを組み合わせることでさらなる高画質を実現。またカメラの操作性にも配慮されたボタンやチルト式の液晶モニター、タッチパネルにより使い勝手も大幅に向上。同社のコンパクトデジカメのフラグシップモデルとして、正統な進化を遂げた1台に仕上がっている。

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