撮影モードは、フルオートモードに相当するグリーンモードのほか、プログラム、感度優先、シャッター優先、絞り優先、シャッター&絞り優先、マニュアル、バルブ、ストロボ同調速度モード、動画の10モードと、好きな設定の組み合わせを登録できるUSERモードの計11モードが用意される。入門者向けのシーンモードはない。
ユニークな機能としては、カメラを三脚などに固定した状態で、ライブビュー表示をみながら、撮像素子の位置を上下左右および回転方向に動かすことで構図を整えられる「構図微調整」や、内蔵センサーがカメラの傾きを自動検知し、撮像素子が自動的に回転方向に動き、正しい水平で撮影できる「自動水平補正」を従来機から継承する。
画質の調整機能としてはカスタムイメージを搭載。初期設定の「鮮やか」のほか、「ナチュラル」や「銀残し」など全9種類の発色傾向を選べる。画像に特殊効果を与えるデジタルフィルターについては、撮影時の8種類と再生時の18種類が用意される。
そのほか、白とびや黒つぶれを抑えるD-Range設定や、歪曲や色収差を低減するレンズ補正、1回のレリーズで色味やシャープネスが異なる3カットを保存する拡張ブラケット機能、多重露光、インターバル撮影などの機能を搭載。連写は最高約7.0コマ/秒に対応する。
撮像素子には、APS-Cフィルムサイズの有効1628万画素CMOSセンサーを搭載する。画像処理エンジンは「PRIME II」で、感度はISO80〜51200に対応。高感度ノイズは目立たないように低減され、ISO1600あたりでも十分に実用的だ。発色は、初期設定では彩度がやや強調された見栄え重視の傾向となる。
トータルとしては、そもそもK-5はミドルクラスの一眼レフとしては比較的コンパクトなボディに多機能を凝縮した密度の高いカメラだったが、今回のモデルチェンジによって、その完成度がさらに高まったといえる。最近はミラーレスカメラが人気を集めているが、ガラス製のファインダーを使って被写体をしっかりと確認しながら撮影できる一眼レフの魅力を再確認できた。
欲を言えば、大きな改良がAFと液晶、ローパスフィルターの3点のみというのは少々もの足りない印象も残る。例えば可動式液晶モニタのような新しいプラスαがあれば、なおよかったと思う。K-5 IIsは、非常に真面目に作られたデジタル一眼レフだ。解像感にこだわり、風景の細かい部分までをリアルに再現したい人には特にお勧めできる。
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