第2回 スタジオ撮影で使って分かった、dynabook KIRA V832のメリットとデメリット:カメラマンが使う「dynabook KIRA V832」(1/2 ページ)

» 2013年05月21日 16時00分 公開
[矢野渉(文と撮影),ITmedia]

普段の仕事環境を構築する

photo 「dynabook KIRA V832」を使った撮影システム

 僕はホワイトバランスの正確さとダイナミックレンジの広さが好きで、富士フイルムの「FinePix S5 Pro」というデジタル一眼レフカメラをスタジオ撮影に長く使っている。ちなみにレンズはニコン製だ。

 FinePix S5 Proで仕事をする理由はもう1つある。付属するユーティリティソフト「Hyper-Utility3」「Studio Utility」という2つのソフトがよくできているためだ。カメラとPCをUSBでつなげば、PC側からカメラをコントロール可能になり、露出やホワイトバランスを調整できるほか、写真のサイズを決められる。

 撮影した写真のデータはカメラのメモリーカードではなく、PCのストレージに送られ、カメラのライブビューをPCの大きなディスプレイで見ることもできる。複数枚の写真を拡大し、比較できるところも大きなメリットだ。画像処理はできないがPhotoshopとの連携がよいので、裏でPhotoshopを起動しておき、その場で目立つゴミを取り除いたり、形を整えたりする作業に取りかかれるのだ。

 1日で100カット以上撮影することも多いので、この環境は譲れない。どんなにカット数が多くても、撮影終了と同時に写真を納品する――これが僕のスタイルである。

 というわけで、64ビット版Windows 7がインストールされた「VAIO F」で構築したこのシステムを、64ビット版Windows 8がインストールされた「dynabook KIRA V832」でも構築することにした。Windows 8でもこれらのソフトが動くかとても心配だったが、問題なくインストールでき、今のところは順調に仕事ができている。

photophoto USBケーブルは足に引っ掛けやすいので、PCを守るためにもしっかりした固定が必要だ(写真=左)。アイコンやフォントは極力小さくして、写真の表示領域を最大にするのが僕のやり方だ。解像度が非常に高いV832では字が読みづらくなるが、慣れ親しんだソフトなら文字が読めなくても、メニューの位置はほぼ把握しているので問題ない(写真=右)

2560×1440ドットで表示する写真は美麗……だが

 dynabook KIRA V832を仕事で使うことを考えると、まず液晶パネルの発色を1台ごとに調整したという点は重要だ。同社製テレビ「REGZA」と同様の補正を行い(具体的な内容や方法は公開していないが)、色温度をきっちりと6500Kに合わせているようなので、これは信用できる発色なのだろう。

 しかし、これはタッチパネル液晶全般に言えることだが、僕が肉眼で見る限りではほんのわずかに赤みを帯びて見える。色温度が下がり気味に見えるのだ。液晶の前面にもう1枚フィルムがあることが影響しているのかもしれない。また、V832の液晶パネルは上下左右で45度以上の角度でわずかに色が白っぽくなるようだが、色が反転することはない(東芝は液晶の方式などを公開していないが、VA方式のIGZO液晶パネルと思われる)。

 とはいえ、2560×1440ドット表示での写真表現は素晴らしい。ドットが目で確認できないほど細かいので、自分の写真が“ヌルッと”して見えるのだ。よりリアルに、そしてより立体感を感じる。これを一度体験してしまうと、なかなか後戻りはできないように思う。

photo 高品質な液晶だからこそ細かいことが気になる。人間の欲は果てしない

 気になる点はもう1つある。東芝にはまったく責任がないのだが、写真を表示するという用途に関してはタッチパネルは必要ないということだ。Windows 8がタッチ操作に向くOSであること、そして近く登場する第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)を搭載するノートPCにおいては、タッチパネルを搭載しないと「Ultrabook」を名乗れないと言われていることから、それを見越してタッチパネルを搭載したのでは……と考えれば理解できる。

 しかし写真にこだわりを持つ人は、まずタッチパネルを使いたがらないだろう。写真をきれいに見たいとか、僕のように撮った写真を拡大して隅々までチェックする場合、指で画面を汚すことなどありえない行為なのだ。同様の理由でグレア(光沢)液晶も写真関係では嫌われる。自分の顔が映り込む液晶は明るい室内などではとても使いにくい。プロ向けのディスプレイとして有名なEIZOのカラーマネジメント対応液晶がすべてノングレアパネルなのも、そういう理由だ。

 欲を言えば、OSはWindows 8のままでいいから、V832のこのパネルでタッチ機能をなくしたノングレアのモデルを作ってくれたら――と思わずにはいられない。

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