久しぶりにコンパクトデジカメを見て「あ、このデザインはいい」と思ったのが、富士フイルムの「FUJIFILM XQ1」(以下 XQ1)。薄いアルミならではの軽い質感とシンプルで滑らかな形状が気に入った。アルミっぽい感触、肌触り、そして軽快感がいい。特にシルバーモデルだな。
中身は、いわゆる小型のハイエンド(高級)コンパクト。ハイエンドコンパクトの定義はあいまいだけど、ちょっと大きめの撮像素子を搭載し、レンズはワイド端がF1.8〜2.0クラスの明るさで、ほとんどの機種がなぜか鏡胴付け根部分にコントロールリングを搭載しているというジャンルといっていいかな。
ここ1〜2年で一番の激戦区じゃないかというくらいで、キヤノン「Powershot S120」を筆頭に、ニコン「COOLPIX P330」、パナソニック「LUMIX DMC-LF1」、そこに参入するのがXQ1というわけ。ライバルはS120です、とは関係者の言。
その上には1インチセンサーのソニーの「DSC-RX100」や、価格は上がるけどさらに明るいレンズを搭載したパナソニックの「DMC-LX7」やオリンパスの「STYLUS XZ-2」、富士フイルムの「FUJIFILM X20」も控えている。その中でXQ1はデザインがすっきりしてていいという以上のインパクトを出せるのか。さっそく見てみよう。
XQ1の撮像素子は同社「FUJIFILM X20」と同じ2/3型のX-Trans CMOS IIセンサー。2/3型と他社よりちょっと大きく、ローパスフィルターレスで有効1200万画素。さらに点像復元処理でディテールの描写力を上げている。本体サイズは100(幅)×58.5(高さ)×33.3(奥行き)ミリ、206グラム(バッテリー、メモリカード含む)といわゆるコンデジのサイズに収まっている。
撮像素子には像面位相差AFを搭載。AFは0.06秒とカタログに書いてあるほどで、明るい場所ではすっとピントが合うし、多少暗くてもコントラスト検出AFに自動的に切り替わるのでAF面での不満はほとんどない。
レンズは25-100mm相当のほどよい4倍ズームで、F1.8-4.9。望遠端はちょっと暗いが、それでもPowershot S120(F5.9)やCOOLPIX P330(F5.6)よりは明るめだ。
2/3型センサーとしてはなかなかの描写力だ。
ただ、使ってて気になったのは撮影最短距離が長いこと。確かに広角端ではレンズ前3センチまで寄れるけど、35ミリ相当では約13センチ、50ミリ相当では30センチを越える。マクロ撮影ってちょっと望遠に振って撮りたいことが多くて、料理なんかもそうだけど、少しズームすると急に寄れなくなるのは残念なところ。まあこのクラスのカメラはその傾向が強いのだけれど、ちょっと残念。
連写は強力。いろいろと連写モードを持っているが、最速で秒12コマ(このスピードで9枚まで)はなかなか。ゴロゴロ転がってる猫を連写で押さえたのがこちら。室内で動いてる猫って、連写で撮って後から被写体ブレしていないのを選ぶのが一番簡単。
ISO感度は最高ISO12800まで。高感度時のノイズはライバル製品と比べて少ないわけじゃないが、ディテールはけっこう残している感じだ。
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