シグマ「DP」シリーズの絵というと色再現性が高く、カチッとシャープでとても高精細というイメージだが、新センサー「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー Quattro」によってその印象はさらに高まった。というと「必ずRAWで撮って難しい現像処理をしないといけないんでしょ?」と思われがちだが、いわゆる撮って出しのJPEG画質が劇的に良くなったのだ。
新宿の交差点から反逆光で道行く人々をスナップ。初夏の暑い雰囲気が良く出ている。Foveonらしく横断歩道を渡る人々や、道の両側にある店舗の看板までしっかりと描写している。F8、1/400秒、ISO100、プログラムオート、WBデイライト、-1EV「Foveon」というと難しく神経質なイメージがあったが、世代を経るごとに扱いやすくなりつつあり、今回のSIGMA dp2 Quattroでは本当にコントローラブルなものになったと実感できた。スパルタンさは薄れたが、得るものは変わらず、というかそれ以上になっている。もちろん、新しくなったRAW現像アプリケーション「SIGMA Photo Pro 6」で追い込んでやるとさらに素晴らしい写真を手にすることができるが、今回ご覧に入れるのはJPEG撮って出しの写真である。
夕刻、ゴールデン街の郵便受けにフォーカスを合わせ絞り開放で撮影した。焦点の合ったところは相変わらず鋭い描写だが、自然で品のある背景ボケは好感が持てる。F2.8、1/200秒、ISO100、絞り優先オート、WBデイライト、-0.7EV
暮れなずむ港町をブラブラ撮影したときのカット。dp2 Quattroはホワイトバランス設定が充実し、環境の色を残しつつオートなども設定できるようになった。自分なりに色を出したい場合はデイライトなどで撮るといいだろう F5.6、1/800秒、ISO200、絞り優先オート、WBデイライト、-0.7EVプログラムオートと絞り優先オートで露出補正をしただけで、これだけ豊かな描写を得られるのだ。より深い写真表現を求める人にはオススメのカメラと言えるだろう。また斬新なデザインのカメラを手元に置きたい人にも注目の一台となっている。
今後登場してくる、35ミリ版換算28ミリ相当の「dp1 Quattro」、75ミリ相当の「dp3 Quattro」もとても楽しみである。
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