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シグマ、高倍率ズームレンズ3機種を発表はるか、はるか先まで

» 2014年09月12日 17時30分 公開
[笹田仁,ITmedia]

 シグマは2014年9月12日、一眼レフカメラ向けの望遠レンズ3機種を発表した。内訳はフルサイズ機向けの「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」のSportsラインとContemporaryラインが1製品ずつ。APS-C機向けの「SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」だ。「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」のContemporaryラインは発売時期も価格も未定。Sportsラインは10月発売予定で、価格は25万9000円(税別)。「SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」も10月発売予定。価格は8万4000円。

厳しい環境にも耐えるSportsライン

 「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」のSportsラインとContemporaryラインの主な違いは、Sportsラインの方が光学性能が高く、過酷な状況でも動作する耐久性を備えているという点と、ContemporaryラインがSportsラインの基本設計を受け継ぎながら、なるべく小型軽量に仕上げたという点にある。また、Sportsラインの対応マウントはシグマ用、キヤノン用、ニコン用の3種類。一方Contemporaryラインはシグマ用、キヤノン用、ニコン用に加えてソニー用も用意するという違いもある。

 Sportsラインのレンズ構成は16群24枚。そのうち2枚にFLD(“F” Low Dispersion:超低分散)ガラスのレンズを、3枚にSLD(Special Low Dispersion:異常部分分散)ガラスのレンズを採用した。光学特性が良いレンズを使うことで、色収差を抑えた。特に望遠端で目立ち、絞ってもなかなか消えない倍率色収差を補正することに力を入れたとしている。

シグマの望遠レンズ「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」のSportsライン

 過酷な状況で使うことを想定したSportsラインは、水や汚れなどにも強い作りになっている。例えば最前面と最後面のレンズには、撥水、防汚コーティングを施している。これで水滴が容易に拭き取れ、油脂の付着を防げる。鏡胴は防じん、防滴性能を高める設計にしてあるという。さらに、マウント部にはゴムのシーリングを施してあり、交換時にゴミが侵入することを防ぐ。

 Sportsラインの最短撮影距離は260センチ。最大径は121ミリで全長は290.2ミリ。フィルターサイズは直径105ミリ。重量は2860グラム。

Sportsラインとほぼ変わらない性能で、コンパクトに

 Contemporaryラインは、先に述べたようにSportsラインの基本設計を受け継ぎながら、なるべくコンパクトに仕上げた製品。性能もSportsラインと大きく変わることはない。

 レンズ構成は14群20枚で、そのうち1枚にFLDガラスのレンズを、3枚にSLDガラスのレンズを採用した。レンズ構成は異なるが、高性能なガラスレンズを使うことで、特に望遠端で目立つ倍率色収差の補正を意識した。

シグマの望遠レンズ「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」のContemporaryライン

 Sportsラインほど厳しい環境での使用を想定していないContemporaryラインでは、鏡胴の設計は一般的な設計で、撥水、防汚コーティングも、最前面のレンズのみとなっている。ただし、マウント部にゴムシーリングを施してある点はSportsラインと変わらない。

 Contemporaryラインの最大の特徴はコンパクトな作りだ。最大径105ミリで全長は260.1ミリ。フィルターサイズは直径95ミリ。どの点を取ってもSportsラインよりも一回り小さい。ちなみに、最短撮影距離は280センチだ。

 両製品に共通する特徴としては、任意の焦点距離でズームリングを固定する「ズームロックスイッチ」が挙げられる。レンズを上向き、下向きにしても、焦点距離がずれることがなくなる。

 さらに、加速度センサーを利用した手ブレ補正(OS:Optical Stabilizer)機能も両機種に共通している。この機能では、2種類の異なる手ブレ補正モードがあり、1つ目は一般的な手ブレ補正となっている。もう1つが速く動くものを「流し撮り」で撮るときに役立つモードだ。このモードにしたときに、加速度センサーが有効に働く。

 また、出荷する全数を独自の測定器「A1」で検査している点と、マウントを異なるものに変える「マウント交換サービス」を受けられる点も、両機種に共通している。

APS-C向けの16.6倍ズームレンズ

 シグマが同時に発表した3本目のレンズはAPS-C機向けの「SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」だ。マウントはシグマ用、キヤノン用、ニコン用、ソニー用、ペンタックス用の5種類を用意する。このうち、10月発売となるのはシグマ用、キヤノン用、ニコン用の3製品。ソニー用とペンタックス用の2種類は発売日未定となっている。

シグマのAPS-C機用ズームレンズ「SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」

 レンズ構成は13群17枚。そのうち4枚にFLDガラスレンズを、1枚にSLDレンズを採用。望遠側で目立つ倍率色収差をしっかり補正する。さらに、広角側で目立つひずみもしっかり補正するという。

 望遠側でのブレを抑えるために、手ブレ補正機能を搭載している。シャッタースピードにして約3.5段分の補正効果を期待できるとしている。ただし、ソニー用とペンタックス用は手ブレ補正機能を搭載していない。

 最短撮影距離は39センチ。最大径は79ミリ、全長は101.5ミリ、フィルターサイズは72ミリ。重さは585グラム。先に紹介した2機種と同様に、出荷する全数を独自の測定器「A1」で検査している。マウントを異なるものに変える「マウント交換サービス」も受けられる

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