PRS-505――Sony Corporation電子書籍端末ショーケース

往年の名機から最新のタブレットまで――古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。ここでは、米ソニーの電子書籍端末「Reader」の2代目モデルに当たる「PRS-505」を取り上げる。

» 2012年06月25日 13時15分 公開
[山口真弘,ITmedia]

製品概要

 米ソニーの電子書籍端末「Reader」の2代目となるモデル。北米地域をターゲットに販売された製品で、国内では未発売。

 ボディにアルミ押出し材を用いることで継ぎ目をなくし、また従来モデルのPRS-500と比べて5ミリ以上薄いわずか8ミリという厚みを実現するなどの工夫により、海外でデザイン関連の賞を多数受賞している。

 スペック面では、6インチのE Ink電子ペーパーはVizplexの採用で4階調から8階調へと進化し、ページめくりのレスポンスも高速化。項目選択用の10個の数字キーは画面下から右に移動したことで直感的な操作が可能になった。発売後のアップデートで対応フォーマットに新たにEPUBが追加されたことにより、PRS-500では非対応だった、Googleのパブリックドメイン書籍50万冊(当時)をPDFだけではなくEPUBでも閲覧できるようになった。

 タッチ操作には非対応、また通信機能は搭載しておらず、同社のオンラインストア「CONNECT eBooks」で購入したコンテンツなどをPCから転送して利用する。日本語フォントは内蔵されていないため、本文はもちろんリスト画面上のタイトルも文字化けする。なお、本製品とほぼ同時期にAmazonから通信機能を備えた初代Kindleが発売されたことから、比較されるケースが多かった。

スペックで見る「PRS-505」

メーカー Sony Corporation
国内発売時期 未発売
発売時価格 300ドル
専用/汎用 専用
OS 独自
OSバージョン 3.3
サイズ(※最厚部) 122(幅)×175(奥行き)×8(高さ)ミリ
重量 約255グラム
解像度 600×800ドット
ディスプレイ 電子ペーパー(E Ink)
カラー/白黒 モノクロ8階調
画面サイズ 6インチ
通信方式 なし
Bluetooth なし
内蔵ストレージ 256Mバイト(ユーザー使用可能領域192Mバイト)
メモリカードスロット SDカード、メモリースティックDuo
バッテリー持続時間(メーカー公称値) 7500ページ
タッチ操作 非対応
対応フォーマット BBeB、PDF、TXT、RTF、EPUB、BMP、JPEG、GIF、PNG
コネクタ USB(miniB)
電子書籍ストア CONNECT eBooks
そのほか 米国での発売は2007年10月。日本語は非対応
最終更新日:2012年6月15日

写真で見る「PRS-505」

右60度傾斜外観本体を持った写真CDとの比較 本体色はシルバーで、カラーバリエーションとしてブラック、レッドもラインアップされる。ボディはアルミ押出し材で、薄さの割にずしりと重く感じる(写真=左)/右手中心に操作するボタン配置。タッチ操作には対応しない(写真=中央)/画面サイズは従来と同じ6インチだが、直線主体のデザインとなったことで、見た目の印象は従来モデルとはかなり異なる(写真=右)
単体正面左側面右側面 正面。従来モデルでは画面下にあった10個のキーが右側に移動したほか、進む/戻るボタンも左側から右側に移るなど、ボタンの配置は大幅に変更されている。右下の上下左右/決定キーの形状も従来とはかなり異なっているほか、MENUボタンも独立した(写真=左)/左側面。厚さは従来の13.8ミリから8ミリへと、5ミリ以上も薄くなっている。アルミ押出し成型により側面の継ぎ目がなく、強度も高い(写真=中央)/右側面。段差がある独特のデザイン。こちらも継ぎ目はない(写真=右)
上面底面裏面 上面。SDカードスロットとメモリースティックDuoスロットのデュアル構成。隣には電源キーも配置されている(写真=左)/底面。ストラップホール、USB miniB端子、ACジャック、イヤフォンジャック、音量大小ボタンを備える(写真=中央)/裏面。下段には「MADE IN CHINA」の印字があり、本モデルから生産が中国に移管されたことが分かる(写真=右)
しおりをつけるためのMARKボタンは、従来は押した際に発光するギミックがあったが、本モデルでは廃止されている(画面=左)/専用カバーが付属。ファイリングするように本体の上下をはめ込む構造になっている。外見色はタン(薄い茶色)(画面=中央)
メイン画面コンテンツ表示画面 メイン画面。E Inkは4階調から8階調へと進化し、残像も残りにくくなったほか、コントラストも一目見て分かるほど向上している。画面構成は従来モデルとほぼ同じで、右端にある1〜9、0の番号が数字キーに対応しており、該当のキーを押せば項目を開くことができる(画面=左)/BOOKコンテンツを一覧表示したところ。表紙のサムネイル表示はなくリスト表示のみ。日本語タイトルは文字化けする(画面=中央)/コンテンツを表示したところ。メモリカードのrootに入れたPDFファイルをそのまま表示できる。これは本製品のマニュアルを表示しているところ。日本語表示には非対応だが、フォントを埋め込んだPDFであれば問題なく表示できる(画面=右)

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