日本の貴重なデジタル化資料を公開している国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)。本連載では、デジコレで見ることができるデジタル化資料の中からコレは! というものを探し出し、紹介していきます。
皆さん、「からくり」といったらどういったものを思い浮かべますか? 一番有名なのはおそらく「茶運び人形」でしょうか。子どもを模した人形がカタカタと動いてお茶を持ってきてくれるアレです。
お茶を受け取るとその場で止まったりして、出来の良さに驚いたことがあるわ。
実は現在よく知られているこの茶運び人形ですが、ある人物が著した書物を参考にして作られたものだということはご存じですか?
発明家といえば平賀源内が思い浮かぶけど、違うかしら。
惜しいですね、時代は同じくらいです。書いたのは江戸のからくり師“からくり半蔵”こと細川半蔵。そしてこちらがその著書『機巧図彙(からくりずい、きこうずい)』(首・上・下の3巻からなる)です。
ちゃんと残ってるのがすごいわよね。
『機巧図彙』には、首巻に和時計4種、上下巻に人形9種のからくりの仕掛けが書き記されています。
ちなみに、日本最古のからくりは『日本書紀』に登場する「指南車」だといわれています。これは、台車の上に車輪と連動した人形を設置して、台車がどの方向に動いても人形は最初に向いた方向を示し続けるというものです。磁石がない時代にコンパスの役目を果たしていたんですね。あ、でもこれは日本で最初のものであって、中国ではそれよりも前に制作していたそうです。
それでは、本の中を見ていきましょう。
本だとどうしても動きまで見ることはできないので、読んでみて気になった方はYouTubeなどで検索することをおすすめします。特に品玉人形は中の人がいるんじゃないかと疑うような動きをしますよ。
岐阜県高山市の高山祭りでもからくりを見ることができるわよね。残念ながら今年はもう終わっちゃったみたいだけど、覚えておいてね!
オレンジ文字さんナイスです。それでは、また次回お会いしましょう。
『機巧図彙』http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2568591?tocOpened=1
(出典=国立国会図書館)
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