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» 2004年06月18日 23時14分 公開

「リアルタイムエンタープライズ実現で勝機が生まれる」とSAP幹部

「SAP SAPPHIRE '04」カンファレンスは最終日を迎え、夕方には事実上のクロージングセッションとなるキーノートにエグゼクティブボードメンバーのアポテカ氏が登場した。彼は、技術の話は控え、もっぱらビジネスの革新に焦点を当てた。

[浅井英二,ITmedia]

 SAPの営業トップは開口一番、「技術的な話は展示フロアに任せたい」とし、もっぱらビジネスの革新に焦点を当てた。

 6月18日、都内で開催中の「SAP SAPPHIRE '04」カンファレンスは最終日を迎え、夕方には事実上のクロージングセッションとなるキーノートにSAPのエグゼクティブボードメンバーでグローバルフィールドオペレーションを統括するレオ・アポテカ氏が登場した。彼は、参加登録者を対象にした事前アンケートに答える形で「グローバルなITトレンド」やそれに対する「SAPの対応」などについて話した。

「顧客企業が勝ち組となれるよう支援したい」とアポテカ氏

 グローバリゼーションの議論は以前からあったが、これほどの潮流となったのは、ここ1〜2年だろう。世界中の優れたサービスや製品、人材が容易に手に入ったり、逆に中国などの台頭で彼らとの協業が不可避となっている。企業は、常に変化を予測し、対応できる俊敏性を持たなければならないし、顧客やパートナーらとのコラボレーションを通じたナレッジの共有も欠かせない。

 「さらに明白なのは、戦略的なIT投資が不可欠だということ。ITを単にコスト削減の手段と考えるべきではない。そうだとすれば、それは大きな間違いだ」とアポテカ氏。

 アポテカ氏は、日本市場に固有のテーマも取り上げた。しばしば今回の景気回復が本物かどうかが議論されるが、アポテカ氏は「過去のレシピは役に立たない。迅速な対応こそ必要」と来場者にアドバイスする。

NetWeaverはビジネスのための基盤

 「リアルタイムで適応できる企業こそが、変化をビジネス機会に変えられる。勝ち組は例外なくそうだ」(アポテカ氏)

 リアルタイムで経営を把握できる情報システムをSAP R/3によって作り上げたSAPだが、変化への迅速な適応という点ではやるべきことはまだまだ多い。顧客企業がリアルタイムエンタープライズを実現できるよう用意したのが、オープンな「SAP NetWeaver」を中核基盤とする「Enterprise Service Architecture」だ。

 初日、アポテカ氏に話を聞く機会があったが、「NetWeaverはミドルウェアではない」ときっぱり。ポータル、モバイル、ビジネスインテリジェンス、ナレッジマネジメント、マスターデータマネジメント、インテグレーション、ビジネスプロセスマネジメントといったさまざまな要素がJ2EEサーバとABAPサーバ上に統合されたアプリケーションのためのプラットフォームだという。

 この日のステージでは、「既存のレガシーも活用できる点が最も重要だ」と彼は話した。NetWeaverをプラットフォームとして生かせば、組織の壁を越え、他社システムも、そしてレガシーシステムも連携しながら1つのビジネスプロセスを支援できる。

 そしてEnterprise Service Architectureが何よりもユニークなのは、NetWeaverという技術基盤の上にビジネスアプリケーションと、さらに上位のビジネスソリューションを実装しているところだろう。SAP R/3の後継として登場しているmySAP ERPが既にEnterprise Service Architectureに対応しているほか、CRMやSCMなど、mySAP Business Suite全体も2007年までに対応を済ませる計画だ。

業界トップのベストプラクティス

 前日のインタビューでもアポテカ氏は業界別ソリューションの重要性を強調した。

 「われわれにはミッションクリティカルなビジネスシナリオ用に最適化された28の業界別ソリューションがある」(アポテカ氏)

 自動車、ハイテク、化学、医療、金融、保険、小売り、通信、公共……、それぞれの業界における標準や、プロセス、業務課題に対応済みで、いわばそれぞれの業界のトップ企業が培ったベストプラクティスといえる。この日のセッションでは、アディダスやコカコーラといった世界のトップ企業がSAPのソリューションを活用している事例も紹介された。

 これらのベストプラクティスは、中堅企業向けのmySAP All-in-Oneに最も生かされているのかもしれない。

 「中堅企業といえども求めていることを同じ。むしろ、コストプレッシャーは大企業よりも強く、それだけうまくやらなければならない」(アポテカ氏)

 日本市場でも、SAPおよびパートナーらによって11業種62ソリューションが開発され、日本企業の課題に的確に対応しているという。テンプレートからベストプラクティスが習得できるため、導入の短期化が可能だ。

 「Enterprise Service Architectureで何よりも重要なのは、必要なところから導入できるというところ。リアルタイムエンタープライズへの道は開けていて、そこに勝機がある」(アポテカ氏)

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